34本目(6月29日観賞)

これがオンラインの醍醐味
劇場版
ファイナルファンタジーXⅣ
光のお父さん

監督:野口輝夫/山本清史/脚本:吹原幸太/原作:マイディー
出演:坂口健太郎/吉田鋼太郎/佐久間由衣/山本舞香/和田正人/山田純大/佐藤隆太/財前直見/南條愛乃/寿美菜子/悠木碧

父(吉田鋼太郎)が定年を前に退職した。息子(坂口健太郎)は、無口で何を考えているのかわからない父と語り合うためにファイナルファンタジーのソフトをプレゼントし、オンラインの世界で正体を隠して父との交流を図る。題して「光のお父さん計画」。


たかがゲーム。なのに「ファイナルファンタジーX」のラストは本気で泣いた。ゲームがひとつのメディアになったと認識した瞬間。今やその世界はオンラインで共有もできる。

なりたい自分になれるネットの世界。そして利害関係がないから本音で語り合える。自身もブログで知り合い、親しくしていただいている方々がいる。本音を語れることもよくわかる。

ネット世界は永遠ではない。その関係も完結しているとは言えない。ただし、きっかけではある。その後、どういう関係性を築くか次第だと思う。


本作、ネットを通して築く人間関係。ブログが元ネタでテレビドラマとなり「劇場版」が作られた。ブログは書き手の主観が入る。実話とは言わないが「実話に基づく」物語だ。

お父さんの描き方が身につまされた。お父さんは、望もうが望むまいが、家族のために働いている。仕事が続けられなくなった時、自分の価値観を見失いがち。「仕事人間」だったお父さんに感謝してあげよう。労ってあげよう。

…とお父さんは思う(笑)。僕より年上の設定だけど、鋼太郎さんの父親像には共感。


ドラマ版の2人の監督をそのまま起用したリアルとオンラインの使い分けが巧妙で「電車男」を連想。

アクの強い役が多い鋼太郎さんが珍しく静かな役。…と思いきやオンライン世界のインディさんはやはりアクが強いという(笑)。息子の坂口くんは等身大で得意な役。

ひょっこ佐久間由衣は振り幅が大きく、まだまだ伸びる。山本舞香は相変わらずおでこが素敵。オンライン上のヴォイスキャストはドラマ版と同じ。


ドラマ版があることすら知らず、予備知識なしで鑑賞。軽いタッチで紡ぐ架空世界の冒険…むむむ、甘く見ていた。出来過ぎ感はあるものの胸熱ストーリーに涙腺を熱くした。

オンラインのいい部分だけ描いているんだろうとは思う。やったこともないヤツに何がわかる? いやヤバイよ、やったら絶対ハマるもの。たぶんこっちに戻ってこれなくなる。

ちなみにFFはXしかプレイしたことがない。



hiroでした。



脚本7 映像8音響8 配役8 音楽8
39/50