WOWOW ドラマW
予兆〜散歩する侵略者
久々のドラマWは、劇場公開作品「散歩する侵略者」のスピンオフ。30分×5話なので2時間半程度、ほぼ映画一本分のコンパクトさだね。録画物件を一気見。
黒沢清の脚本・監督なので劇場版と同じ。夏帆、染谷将太、東出昌大とキャストも豪華。大杉蓮が4話と5話だけ出ています。東出くんは映画と被ってるけど、別人の役みたい。
夫辰雄(染谷将太)の様子がおかしいと感じていた悦子(夏帆)は、辰雄の勤め先である病院に職場の友人の付き添いで行った際、医師真壁(東出昌大)に妙な胸騒ぎを覚える。…っていう話。
時間軸は劇場版と同時進行。話の交差は一切なし。「侵略」が始まってエンディングなので、劇場版の補完作品。劇場版未見でもわかるけど、完結してないのできっと消化不良。「ガイド」の説明も少ないので、鑑賞後のほうが望ましい。
夏帆、将太くん、東出くんと、フワッとしたキャストを揃えたものだ(笑)。東出くんは「寄生獣」系キャラ。その「寄生獣」主演の将太くんは全然違うキャラだった。
キャストは違えどスタッフは劇場版と同じなので、統一した空気感は楽しめる。WOWOW加入の方しか観れないのはもったいない。加入者で見逃した方は、再放送やオンデマンドなどを要チェック。
*本作を劇場用に再編集したものが11月11日より公開されているようです。花形右京さん、情報をありがとうございました。
以下、劇場版を鑑賞された方向けです。未見の方は意味不明かもしれないのでご承知おきを。
劇場版は概念を取られた人々がどこか幸せそうでコミカルだった。こっちはもっと深刻。
劇場版で「家族」を取られた彼女がどうなるのか心配だった。本作でも「家族」を取られた人物が登場。予想どおり悲劇。
こんな具合にコメディタッチの軽妙さがあった劇場版に比べ、こちらはホラーと言ってよい。本来の黒沢監督カラーだ。
そしてラストはやはり「愛」。「愛ってなんだ?」をテーマに違うアプローチで仕掛けた劇場版とドラマ版。劇場版で物足りなかった方、ホラーファンの方には、満足の出来だと思う。
hiroでした。