58本目(12月12日鑑賞)
父と子の物語。
ベテランと若手の対峙。
人生の特等席
メジャーリーグ・ナンバーワンのスカウトマンとして、幾多の名選手を世に送り出してきたガス(クリント・イーストウッド)。現地に出向き、実際に選手を目で見るスタイルは、数字によって選手の貢献度をはじき出すマネーボール理論が主流となった今も変えようとしない。時代錯誤とも思える彼の仕事ぶりに球団は疑問を抱くようになる一方、ガス自身にも視力の低下という「老い」の影が忍び寄っていた。
ガスの一人娘ミッキー(エイミー・アダムス)は弁護士として、事務所の共同経営者の席を同僚と争っていた。ある日、ガスの親友で、球団のGMをサポートしていたピート(ジョン・グッドマン)が訪ねてきて、ガスの異変を伝える。ガスの主治医を問い詰め、視力の低下の事実を知ったミッキーは、ガスのスカウト先に向かう。
早くに妻を失ったガス。そのガスに1年間、知らない親せきの元に預けられ、それ以来ガスとの間に埋めようのない溝を作ってしまったミッキー。この旅は、これまでの穴を埋めるべく父と子の旅となる。
「グラントリノ」を最後に引退説が流れたイーストウッド。今作で見事スクリーン復帰。
しかも、かっこよくない。元気のないオシッコにはっぱをかける老人である。
「老」の表現。「老」を知った人でないとできない演技。
この作品への出演は、後輩たち、映画界の将来を担う者たちへの愛。
物語は父と子の関係の再構築ですが、
ガスのスカウト技術はしっかりとミッキーへと受け継がれています。
今作の監督であるロバート・ロレンツは、長いことイーストウッドの助監督を務めていた人物。
監督としての技術を伝えるための出演のような気がしませんか?
今回は「魔法にかけられて」…ないエイミー。
娘のミッキーを演じるエイミー。
ディズニーの「魔法にかけられて」のプリンセスが印象に残っています。
見かけもちょっとこぎれいだけど、そんなに美人でもない。
まあ、そこそこの女優さんなのかな、って思ってましたが…。勉強不足でした。m(_ _)m
「ダウト~あるカトリック学校で~」で、「ジュリー&ジュリア」ですか。
どちらも未見ですが、えらい評判がいい作品ですよね。
むしろ「魔法にかけられて」の方が異質だったのでしょうか?
先日テレビでオンエアしてた「ナイトミュージアム2」のアメリア役も彼女ですよね? 違った?
来年公開の話題作「マン・オブ・スティール」にも出演だとか。
なんだ、売れっ子実力派なんじゃないですか。
ちなみに目標とする女優は、メリル・ストリープだとか。
ジョニーも今は…
かつてガスにスカウトされたジョニーにジャスティン・ティンバーレイク。
球団に酷使され肩を壊して引退。今はライバル球団のかけだしスカウト。
恩師ガスにスカウト技術を学び、その娘ミッキーに…、まあ想像どおりです。(笑)
「ソーシャルネットワーク」「TIME」と彼を観てきた。が、かっこいいと思ったことは一度もありません。
今作…初です、彼がカッコよく見えたのって。
まあ、おいしい役ではあったのですがね。
今ウチに、ツタヤ・ディスカスから送られた「バッド・ティーチャー」のソフトがある。
チャラチャラ感の漂う作品ですがジャスティン出演。ちょっと楽しみ。
明るい日差しのもとでのロケが多いせいか、爽やかです。
野球を題材にしていますが、野球を知らなくても全然平気。
ふつうの仕事のひとつとして野球にかかわる人々を描いています。
アメリカ人は本当に野球を愛していますね。hiroも愛しています。
本人が気付いていないだけで、実はhiroアメリカ人なのかも。(笑)
監督はやや荒削りか。
ミッキーがかかえる問題も突然登場。
もう少し「あたし、悩んでるのよ」オーラを事前に振りまいておくべきだったのかも。
父との間の溝についても、パンフレット等でそのように読みとれるだけで、一見仲のいい親子に見える。
ガスの抱える問題もある意味、取ってつけた印象。映像として1回フリがあった程度でしたね。
そしてラストの問題解決の一幕、ちょっと都合がよすぎるんですよね~。
いい題材のストーリーだったので、もう少しの手間と工夫で、もっといい作品になったのに。
そう思うと少し残念。師匠にはまだ遠く及びません。
でも、映像はすごい綺麗でした。
hiroでした。