2018・英 ★★★☆☆(3.3)
監督:ジョーシー・ルーク
出演:シアーシャ・ローナン マーゴット・ロビー ジャック・ロウデン ジョー・アルウィン
スコットランド女王メアリー・スチュアートとイングランド女王エリザベスI世の波瀾万丈の
人生を描いた伝記ドラマ。
シアーシャ・ローナンがメアリー、マーゴット・ロビーがエリザベスI世を演じるほか、ジャック・ロウデン、ジョー・アルウィン、ガイ・ピアースらが共演。
数多くの舞台演出を担当してきたジョーシー・ルークが本作で長編監督デビューを飾った。
(シネマトゥデイより抜粋)
今日は、新作を2本。 もう1本は「キャプテン・マーベル」 本日から上映開始だが、平日なので
何時もなら、それ程の客入りではないのに、本作は小さいスクリーンながら、かなりの入りで驚いた。
スコットランドに生まれたカトリックのメアリー・スチュアートは、0歳でスコットランド女王になるも、
イングランドの王位継承権を持つ彼女を警戒し、その命を狙うイングランドから逃れるため、
幼くしてフランスへ渡る。
やがて15歳でフランス王妃となったメアリーだったが、18歳で未亡人となりスコットランドへ帰国する。
しかしスコットランドではプロテスタントが勢力を拡大させており、メアリーの周囲にも常に
不穏な空気が漂っていた。
一方、隣国イングランドでは、エリザベスI世が25歳で即位していた。
未だ世継ぎのいないエリザベスI世とその側近たちは、次第にメアリーの動向に神経を
尖らせていくのだったが…。
めっさ見たいと思わせる、今が旬の2代女優が、火花を散らすストーリーかと思いきや…。
本作は初日に見るもんね、って思って上映館を調べた時に、思わず「少な!」って言ってしまった。
関西地区だけかもしれませんが。 なので、あんまり期待をし過ぎないように見たのですが。
この2人の王女にスポットを当てた、時代絵巻なのだけれど、其処に辿り着くまでも、何気に
ややこしいのよね~。
なので、其処までの事も簡単に知らないと、ちょっと話に乗れない感じもあるし、メアリー女王は
「美貌の女王」とか「悲劇の女王」又は「愛に生きた女王」と呼ばれている。
スゴ~~く簡単に、この2人の女王の紹介を。
<メアリー・スチュアート>
1542年、スコットランド国王ジェームズ5世と、メアリー・オブ・ギーズの間に生まれる。
すぐにジェームズ5世が死去し、0歳にしてスコットランド女王となる。
隣国、イングランドから命を狙われていた為、5歳で渡仏。
フランス王宮で教養を深め、語学に堪能で、15歳でフランス王太子と結婚する。
スコットランド女王にしてフランス王妃となる。
18歳で未亡人となり、スコットランドへ帰国。←此処から本作が始まる。
<エリザベスⅠ世>
1533年、イングランド国王ヘンリー8世とアン・ブーリンの間に生まれる。
3歳で母が刑死、エリザベスは庶子と見なされ、王位継承権を失う。
その後、再び王位継承権を得るも、異母姉のメアリー1世統治時代にロンドン塔に幽閉される。
1558年、メアリー1世が死去し、エリザベス1世として即位する。←即位2年後からのストーリー。
どちらも女王なので、王位継承の為に子供を産まねばならない。
エリザベスは、レスター伯爵↑を寵愛し、結婚の噂もたつが、当時の妻の事故死をめぐる疑惑で
結婚は困難になるも、エリザベスは生涯、レスター伯爵の事を想っていたと言われる。
因みに、エリザベスは29歳の時に天然痘になり、髪は抜け落ち、肌が荒れていた。
威厳のある姿を見せる為に、肌を白く厚塗りし、カツラを使用していた。
コンプレックスの為に、「私は男になる」と心に誓い、生涯結婚を拒否した。
エリザベスとは対照的に、メアリーは子供を持つために、帰国後素早く同じスチュアートの
血を引くダーンリー卿ヘンリーと結婚し、息子ジェームズを出産する。
何よりも正当なイングランドとスコットランドの王位継承権を持つ子供の誕生は、スコットランド宮廷を
揺るがせる事となる。
ヘンリーも何時かは、自分が王位を継げると考えていたのだが、ジェームズを産むための相手として
選んだまで…。 後ろで手綱をひいてもヘンリーが王となる日は来ない事が分かった途端に
殺害されてしまう。
そして、喪も明けぬ間にすぐさま、次の結婚を強いられるメアリー。
「愛に生きた女王」とは、どう考えてもそうは言えないけれど、カトリックのメアリーを貶めようと
プロテスタントの牧師であるジョン・ノックスの策略で、メアリー失脚の為に民衆を煽っていく。
どうにもならなくなったメアリーは、エリザベスに泣きつくのだったが…。
エリザベスの重臣のバーリー男爵は、ガイ・ピアース氏ですが、本作ではかなり地味な役処。
エリザベスが生涯心に想っていたレスター伯爵・ロバート役はジョー・アルウィン氏で、
「女王陛下のお気に入り」で、エマ嬢の旦那役のお方。
この辺の事は、ケイト・ブランシェット氏がエリザベスを演じた「エリザベス」の続編の方が詳しく
描かれているように思うけれど。
結局は、女王と言っても、家臣や貴族や王位を狙う「男達」に翻弄され、それに従わざるを得なかった
メアリーと「私は男」と言って、自分の幸せは捨てたエリザベスの違いを描く作品なのだけれど
この差は歴然だなぁ~。
けれど、将来「王」となる子供を産んだメアリーとエリザベスのどちらが幸せだったのか?
天然痘や自分の容姿の事でコンプレックスのあったエリザベスは、「美貌の女王」と呼ばれた
メアリーに嫉妬心もあったのでは?とも思うが、やっぱエリザベスが心の痛みを持ち続けながらも
45年も統治の座に居たと言うのも、辛かっただろうなと…。
等と、色々と想像は出来るのだが、映画としては、余りメリハリが無くてサラッとしているのが
物凄く残念。 旬なお2人様は、凄くそれぞれの女王にピッタリだったとは思うけれど。
特にエリザベスの悲哀みたいなものが、あの白塗りの顔で見えなくて、一緒に悲しむ事も
出来なかったのが残念だった。
「幸せ」って、いったい何なんだ?とは、思ったけれどね。 王女にとっては不要なモノなのか?
←このバナーより、是非とも1日1回ポチッとなが欲しいので御座います。
にほんブログ村
エリザベス [DVD]
641円
Amazon |
エリザベス:ゴールデン・エイジ [DVD]
899円
Amazon |