2007・邦画 ★★★☆☆
監督:荻上直子
出演:小林聡美 光石研 市川実日子 もたいまさこ 加瀬亮 薬師丸ひろ子
春まだ浅い頃、風が何かを届けるのだろうか? 「来た…」と呟いては、浜辺に馳せ参じる。
浜辺に立っている、掘っ立て小屋の囲いを取り払い、ベンチ等を並べだす。
その頃、空港に降り立ったプロペラ機から、まるでひょいと買い物に来たかの様な小さなバッグ一つでやって来る
めがねを掛けた一人の女性。
浜辺の掘っ立て小屋に到着すると、用意をしていた男女に深々と頭を下げる。
時期を同じくして、大きなトランクを引っ張りながら、地図を片手に看板等全く出ていない小さな宿ハマダを
目指すタエコ(小林)。
喉も渇きを覚えてくるが、浜辺を歩いている時掘っ立て小屋から声を掛けられる。
「カキ氷は如何ですか?」先程、深々とお辞儀をしていたサクラ(もたい)であった…。
「いや、良いです」喉は乾いているが、カキ氷は苦手なので通り過ぎた。
一軒の何の変哲も無い家に辿り着いた…。 タエコを出迎えたのは、宿の主のユージ(光石)と犬のコージ。
「人が一杯来ると大変だから…」そういう理由で、看板も無いらしい。
お水を貰って、食堂の椅子に座っているとユージさんがお重に何やら詰めている。
「お腹空きましたか?」 「えぇ、まぁ~」と言うと、タエコを皆に紹介したいから今日の夕食は外で食べると言う。
「私は、そう言うのいいですから…」と答えると、「じゃぁ、冷蔵庫の中の物を適当に食べてください」と
そそくさと、お重を風呂敷に包んで行ってしまった…。
翌朝目が覚めると、布団の足元にサクラが正座して座っていた…。 めがねを掛けて見て見ると。
「おはようございます。朝ですよ。 今日もとっても良いお天気です」と…。 そう言って、部屋を出て行った。
なんちゅう~~、宿屋やねん! 私は、もっと寝るんだ~~と、ウツウツした頃スピーカーから音楽が流れて来た。
何だか迷惑な所だわ、と浜に見に行くと…。
サクラさんが、皆前に立ち奇妙キテレツな踊りか?体操を行なっている…。
気付いたユージさんが、「一緒にやりませんか?メルシー体操」と誘われた。 何じゃそれ!
サクラさん考案の体操らしい。 春の季節には毎朝これをやらないと1日が始まらないらしい。
体操から帰ってくると、「ご飯ですよ!」と言って貰えた。 食卓に着くとユージさんもサクラさんも一緒に朝食。
もう一人、若い女性のハルナ(市川)さんも加わっていた。
「今日は観光に行こうと思うのですが、何処かお勧めは有りますか?」そう尋ねた。
「此処には、そんな場所は無いですよ」 「じゃ、此処に来られる人達は何を目的に来られるのですか?」
「皆さんね、たそがれに来られるんですよ…」 「た・たそがれですか?」
そんな事言われても、私には無理! もう一つ、此処には宿舎があると聞いたんですけど~~~!!!
私が此処に来た理由は…。
此処に来た時ユージさんに言われた。 「あの地図で迷わずに此処に辿り着けた貴方は、素質が有りますよ」
「何の素質ですか?」
「たそがれる…、素質ですよ!」
《***》
梅田でも上映しているのだが、レディースデイしか1000円で観れない。
京都の映画館は会員になっているので、どうしても観たかったもう1本と「めがね」を見た。
何時見ても、1000円で観れる。
梅田よりかは倍の時間は掛かるけれども、小1時間で京都にも行けるので(梅田までは30分)特急に乗って
行って来た。
予想では、気候もお天気も良いので映画館は然程混んでいないだろうと言う読み…。
「何を仰るウサギさん」 この作品はこの映画館の中で1番大きな劇場で上映だったのにも関わらず、立ち見も
出ておりました。(汗)
- かもめ食堂
バーバー吉野 スペシャル エディション
- 前作の「かもめ食堂」が途方も無いヒット作となった荻上直子監督の最新作。
- 私は、「バーバー吉野」が一番好きな作品。
2匹目のどぜうでは無いのだろうが、「めがね」もスローフードを前面に打ち出した萌え系の作品。
「かもめ食堂」では、多少の温さも色々起こる事件によって、「萌え感」がより前面に出てまぁまぁな作品であった。
だが、予告を観た時に既に少々の嫌な予感はしていたが、この作品については「MORE萌え」をコンセプトに
「たそがれる」と言う言葉で表す。
しかし、どうも鼻に付くんですけど。 (私だけですか?)
大体、「たそがれる」と言うのは「たそがれ」を動詞にした言葉。
では「たそがれ」とは? もう、物事の終りかけ…、等と言う意味。
「たそがれ時」は夕暮れで、1日の終わりとかになるのだが…。
この島で「たそがれる」とは、人生の終わりを迎えようとすると言う意味なんだろうか?
(私の解釈間違っていますか?)
どうやら、この映画に出てくる「たそがれる」と言う言葉は「ぼ~~っと」とか「のほほ~~ん」とか「萌え~~!」とか
なんだろうと思うのだが…。
「たそがれる」為にこの宿に泊まるのに、何か無言の恩着せがましさもあったりで…。
島に着いてスグのタエコの気持ちが、嫌と言うほど良く分かる。
「私はこうしたいので…」と気持ちを述べると「そうですか…」と全く何も言わずに受け入れてはくれるのだが…。
小林聡美は、決して美人では無いけれど色が白くて肌がモチッとしていて綺麗だなと思う。
今日の作品の感想は、本当にそれだけです。
好きな人は、沢山いるだろうと思うけれども、私はこの作品に1000円以上を支払って見る勇気も無いし
もし、万が一支払っていたらマヂで暴れていたと思う。
途中から、何やらイライラしてきてしまい、自ら目を閉じて暫し別世界へ行っていた事も事実です。
立ち見の方達も、この作品で一緒に「たそがれて」癒されたのでしょうかねぇ~~?
撮影場所は、与論島だそうで映画の内容はとても星3つも上げられませんが、美しい空と透き通る海に敬意を
払って星3つと致します。
出演者が全てめがねを掛けている設定のこの作品。
私も、先月「老眼鏡」を仕方なく作った。 勿論手元を見るには良いのだが、ずっと手元ばかりを見ている訳ではなく
つい、他所も見たりすると気持ち悪くなってきちゃう…。
その上、男前には「メチャダッサ~~!」と言われてしまった。
お前には言われたく無いんじゃ!とお返事しておきましたが…。
それまでは、実母が値札の数字が見えないとこぼしているのを笑っていましたが、今や私…。
3なのか5なのか6なのか8なのか9なのか…。 ふう~~~、見間違います。
年は取りたくないものだ…。 25歳なんだけれど、そんな風に思う今日この頃…。
ちょっと、秋を意識した雰囲気で終っておきましょう…。(何処が?) じゃぁ~~ねぇ~~。