始まりのはじまり

平成13年夏ごろだった。
 

 汗をかいた小太りのおっさんがハンカチで額をぬぐい玄関に立っている。
「私が、担当のマツモトキヨシと申しますっ!本日は自衛官採用試験をご希望ということで!」と息を上げて挨拶をした。その汗ばんだおっさんに怯むことなく「あ、どうぞ。」と洋間へ通した。

 

 その2週間前、俺のこれまでの20ほどある職の中に”公務員”がないことがどうも気になり、その選択の一つとして自衛隊を受験しようと当時の地方協力本部へ直接電話した。すると「担当をご自宅に向かわせます!」とのことで、よしこれで受験できると、その担当者を待った。

 

 しかし、5日経過したが担当は顔を出さない。その間連絡もなくただ待ちぼうけを食らった私は再度地方協力本部へ電話した。
地:「はい!地方協力本部です!」
俺:「私は、先日入隊したいと電話したOOと申しますが、

  そちらは来ると言っておきながら全く連絡もなくほった

  らかすっちゅうのはどういうことですか?」
  といきなりキツめの一発
地:「ほ、ほ本日すぐ伺わせますので、ご、ごご都合い、い

  かかでしょうか?」
俺:「大丈夫です、お願いします。」
地:「わ、分かりました!!」

そんなこんなのマツモトキヨシである。

自衛隊は、1年~2年程度で職場のトップが変わる。

 

職場のトップは超偉い人と思われていて、みんなが殿様みたいに扱う。

 

だから、こないだまでコーヒー好きだった人から、

「俺日本茶がいいな」の一言で一気に変わる。

 

周りはドタバタ

 

けど学校とかといっしょで、トップのご機嫌だけで過ごし方が変わる。

 

そういうとこです。

 

陸自はまるで高校や大学のように楽しいところ。

 

 

先生役の上司がいたり、上級生がいたり(50過ぎも)

 

けど体だけ動かせばいいのではなく、仕事によってはパソコンも使えなきゃいけない。

 

指1本で攻める人がいて、毎日忙しいを連呼していた。

 

ブラインドタッチとかできる人ならわずか数分の仕事

 

けど、周囲からはあの人は頑張っている!という評判

 

陸自って楽しいところ。