徳を積めば人は集まる

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井原隆一(りゅういち)氏の心に響く言葉より…



「林深ければ則(すなわ)ち鳥棲(す)み、水広ければ則ち魚遊ぶ。

仁義積めば則ち物自(おのずか)ら之(これ)に帰(き)す」

これは、『貞観政要(じょうがんせいよう)』にある言葉だが、

要するに、林が深ければ鳥が多く棲みつくし、川が広ければ魚が多くそこに泳ぐ。
同じように、仁義の徳をつみ施せば、人は自らついてくるという意味で、

唐の名君太宗(たいそう)の言にふさわしい。



太宗は中国史上まれにみる英主(えいしゅ)といわれている。
ある臣が、「法律を重くして盗賊がでないようにしていただきたい」と願いでた。
太宗は、「盗賊が起こるのは民が生活に困るからである。

自ら奢侈(しゃし)を慎(つつし)み、冗費(じょうひ)をはぶき、

夫役(ふえき)を軽くし、潔白な役人を用いれば、民は衣食も足り、自然に盗みなどしなくなる。
なんで法律を重くする必要があろう」と答えた。

このように政治に心を用いたので、数年のうちに民も豊かになり、

路に落ちたものを私(わたくし)する者もなくなり、

盗賊もでなくなったので行商する人も安心して野宿するようになったという。

『人の用い方』日本経営合理化協会出版局



中国の英君太宗は、法律を重くするのではなく、政治に携わる者すべてが自らを律し、

身を慎むことにより、無駄な出費をなくして民を豊かにすることこそ、

盗賊を少なくする真の道だと言った。

しかしながら、この話を聞くと、到底そのようなきれいごとでは

犯罪は少なくはならないだろう、と思ってしまう。


そして、多くは犯罪防止の手っ取り早い方法、すなわち法律を重くし、

恐怖と圧力による方法を選ぶ。
これは、「覇道(はどう)」であり、覇者の方法である。

「覇道」とは逆の道が、「王道」。
「王道」とは本質を見据え、芯(しん)から変革する、徳の道だ。

覇道とは、労少なくして益多い道。
王道とは、労多くして益少ない道。

まさに今でも、多くの企業が悩んでいるサブプライム・ローンに端を発した大不況は、

デリバティブという極めて自己中心的な覇道を行った結果だ。

効率を最重要視し、最も短い期間で、最大の利益を狙うことは、

覇道という地獄の道を選択することになる。


無駄も多いが、あえて困難な道、利他の道を往くことに、人生の妙味がある。

むやみに自分を大きく見せずとも、徳という魅力があれば、人は自然と集まってくる。



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