都営新宿線 神保町

 

 

高校生の頃、地下鉄に乗って通勤するなんて息が詰まりそうだと思っていた。真っ暗で小さなトンネルの中を、満員電車が轟音を立てながら延々と走る。車窓は常に暗く明かりは見えない。こんな電車に乗っていたら息が詰まって気が狂いそうだと本気で心配していた。

 

でも、サラリーマン生活に慣れてしまってから、中野から日本橋まで走ろうと、神田から浅草まで走ろうと今は何も感じなくなってしまった。鈍感になったのか、順応してしまったのか。

 

地下鉄の車窓から見える景色は延々と真っ暗な闇。時々灯に照らされた駅が現れてはまた消える。地下鉄ホームは蛍光灯で照らされた無機質なタイルの壁と、ほの暗い広告と案内版。

 

そんな中で、都営新宿線の神保町はひときわ個性を主張している。神保町は本の街。古本屋、書店、そして大学の街。駅ホームの壁が個性を主張している。この壁を見るとこの駅の気概を感じながらも癒される。