今年もゆっくりと終わろうとしている。寒波で外出もためらわれる週末だけれど一日中外に出ないのもいかがなものかと歩く。気がつけば近所の公園のケヤキやサクラもすっかり葉を落としていた。

 

 

思えば今年は、この街の景色も大きく姿を変えた。近所では幹線道路の延長工事が進んでいて、昔からあった古い会社が取り壊されたり、多くの家が立ち退き景色が広がった。駅前の道路も幅員拡張工事が進み古くからある商店街が姿を消した。

 

知っている老人の幾人かは、ぽつりぽつりとこの世から去っていなくなってしまった。裸になったケヤキの枝を見上げそんな思いが込み上げる。

 

冬の一日、空は青く、日暮れは早い。晩酌もほどほどに酔いもまわったころ見上げると今年最後の満月が静かに西の夜空を登っていた。