NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で明智光秀が描かれているので読んでみた。
信長は権力を掌握する過程で親類縁者をも信じられなくなり、見せしめのように冷酷非情で残虐な殺戮を繰り返していくようになった。50歳を超えた光秀もやがて自分も何時かは同じ運命をたどるだろうと思い始める。そんな時、信長よりかつて光秀の部下であった秀吉の手駒として毛利への戦に行くように命じられた。本能寺に投宿した信長一行の防備体勢が手薄であることを知る光秀は、千歳一隅のこの機会を逃すと、この先二度と運気を変えることはできないだろうと本能寺の変を決断する。
戦国時代の非情な人間模様と、残虐な戦の詳細が描かれていて読後はずしりと重い。武士が世を生き抜くために命をかけて戦わざるを得ない恐怖の時代の空気が伝わる。
