幕末を走りぬけた新選組副長の土方歳三を描いた長編時代小説。舞台は武蔵多摩、日野、八王子、分倍河原、江戸小石川、京都、鳥羽伏見、甲州勝沼、南部宮古湾、函館、五稜郭、函館山と移っていく。私も都下に住んでいるし、函館には仕事で滞在したことも多々あり読んでいて景色が見えてくる小説となった。
何よりも土方歳三を生々と描いていて、読者を引きつけ長編ながら一気に読ませてしまう魅力的な小説。映画はコロナの影響で5月の映画公開予定だったが、いまだに延期されていて上映されていない。函館戊辰戦争については、知っていたつもりではあるが、また函館に行ってみたくなるような気にさせる小説だった。
