「復讐者たち」ホロコーストを生き延びたユダヤ人たちによる恐るべきドイツへの復讐計画。その行方は? | 『Pickup Cinema』

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2020年製作/110分/G/ドイツ・イスラエル合作 監督:ドロン・パズ&ヨアヴ・パズ

出演:アウグスト・ディール、シルヴィア・フークスほか 原題:Plan A 配給:アルバトロス・フィルム  大阪・兵庫で8月6日公開

 

舞台は1945年、敗戦直後のドイツ。ホロコーストを生き延びたユダヤ人マックス(アウグスト・ディール)は、なんとか難民キャンプにたどり着く。

そこで、強制収容所で生き別れになった妻子がナチスに惨殺されたことを知り、絶望のどん底に突き落とされる。

復讐を決意したマックスは、ナチスの残党を密かに処刑しているユダヤ旅団の兵士ミハイルと行動を共にすることにする。

しかし、別のユダヤ人組織ナカムは、ユダヤ旅団よりもはるかに過激な報復活動を行っていた。

ナカムの隠れ家に潜入したマックスは、彼らが準備を進める“プランA”という復讐計画の全容を突き止める。それはドイツの民間人600万人を標的にした恐るべき大量虐殺計画だった。

同じく子どもを失い、苦しむアンナ(シルヴィア・フークス)たちと共に着々と計画を進めるが、復讐と良心とのはざまで心が揺れ動いていく。

幼い息子を失ったアンナ役のシルヴィア・フークスの鬼気迫る演技が胸を打つ。

 

 第二次世界大戦中にナチス・ドイツがユダヤ人に対して行った大量虐殺「ホロコースト」では、600万人以上のユダヤ人の命が奪われた。この人類史上最悪の蛮行は、今なお史実が次々と掘り起こされている。今作品も監督が、復讐計画の生存者への取材を基に脚本を執筆しメガホンをとった実話だ。

映画の中では、残酷なホロコーストの映像は出てこない。しかし、家族の最期の姿を語る人々のセリフに想像がふくらみ、生々しい映像が脳裏に浮かび、心がふるえる。

 

罪もない両親、兄弟姉妹、子どもを殺された人々の心に燃えたぎる復讐心。やられたらやり返すのが復讐なのか。果たして暴力で憎しみは消えるのだろうか。

真の復讐とは何か?を問いかけるサスペンスドラマ。