『エデュケーション』
タラ・ウェストーバー『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』(村井理子訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)を読みました。
以前、書店で帯の文句に惹かれて購入したものの、(著者についてはほぼ無知な状態のまま)本の厚さに尻込みしてしまい、相当長い間積ん読状態にしてしまっていました。
ですが、最近になって漸く「このままではいけない」と思ったので読んだのですが、読んでいる間はその内容に圧倒されっぱなしでした。
まず、モルモン教徒・サバイバリストの両親のもと、学校にも病院にも通わなかった著者の育った環境に驚きました。
著者の両親は勿論の事、彼女の兄弟達も相当だなと感じ、読んでいる途中で幾度となく「自分とは住む環境が違いすぎる」と堪らない気持ちになりました。
次に、3部構成の第二部以降の著者が大学で勉学に励む事で自分自身が変化し、楽しみが増していくていく様子の描写は(教育を受ける事の大切さを含めて)興味深く読めた一方、読書中に幾度となく感じた違和感は結局最後まで解消されませんでした。
ああ、教育が大事というのは頭の中では分かっていると思っていたのですが、(自分の自己体験ではないにしろ)いざ手記を目の前にして、それを読んだとしてもなかなか受け入れられないものなんですね…。
あと、著者の母親が著者にとって大事な場面に良く登場しているように感じ、あるビジネスが成功して成長していく過程に対して何だか凄いなと思いました。