■デニス・ブレインのホルン音楽
私はホルンという楽器については全くの素人です。おなじホルンといってもフレンチ・ホルンとか、ウインナ・ホルン、ナチュラル・ホルンとか何種類かありますが、あまり詳しくはありません。 また、ホルンの室内曲などは、ほとんど聴くことが無いので、有名なホルン奏者の名前もほとんど分かりません。
デニス・ブレインについても昔、カラヤン指揮/フィルハーモニア管弦楽団とのモーツアルトのホルン協奏曲のLPレコードを購入して、初めて知った名前です。
デニス・ブレインは若くして自動車事故で亡くなった名ホルン奏者。フィルハーモニア管弦楽団の首席奏者などを務めていますが、1950年代のカラヤン指揮のベートーヴェンやシベリウス、チャイコフスキーなどの交響曲、クレンペラー指揮のブラームスの交響曲などの録音では、フィルハーモニア管弦楽団の首席奏者として参加しているはずです。
さて、この5枚組のBOXですが、多少曲目は異なりますが、これとほとんど同じ音源でEMIからも4枚組のものが発売されています。このCDは5枚組の輸入廉価盤です。
曲目は次のとおりですが、輸入盤で日本語でない曲目表示のため、間違った表記をした曲もあるかも知れません。
■CD1
●モーツァルト:ホルン協奏曲 第1番~第4番
フィルハーモニアO、カラヤン指揮(1953)
■CD2
■CD2
●モーツァルト:五重奏曲(ピアノと管楽器のための) 変ホ長調 K452
ホースリー(ピアノ)、デニス・ブレイン管楽アンサンブル(1954)
ホースリー(ピアノ)、デニス・ブレイン管楽アンサンブル(1954)
●モーツァルト:ディヴェルティメント 第14番 変ロ長調 K270
デニス・ブレイン・アンサンブル(1957)
●モーツァルト:音楽の冗談 K522 /フィルハーモニア管弦楽団
カンテッリ指揮(1955)
■CD3
■CD3
●モーツァルト:ディヴェルティメント第2番 KV131
ビーチャム指揮/ロイヤル・フィルハーモニー(1947/48)
●モーツァルト:ホルン五重奏KV407(1944)
●モーツァルト:ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 K417
フィルハーモニアO、ジュスキント指揮(1946)
CD4
●ヒンデミット:ホルン協奏曲 /フィルハーモニア管弦楽団
ヒンデミット指揮(1956)
●ブリテン:テノール、ホルン、弦楽器のためのセレナードop31
ユージン・グーセンス指揮/ニュー・シンフォニー・オーケストラ
●ベートーヴェン:ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17
マシューズ(ピアノ)(1944)
CD5
CD5
●R.シュトラウス:ホルン協奏曲 第1番、第2番
サヴァリッシュ指揮/フィルハーモニア管弦楽団、(1956)
●ブラームス:ホルン、ヴァイオリン、ピアノのためのトリオop40 (1933)
一部を除き、ほとんどがモノラルの音源、中には1940年代のSP録音の復刻もありますが、フルオーケストラの曲ではないためか、スクラッチ・ノイズもあまり気にすることなく聴くことが出来る程、音は悪くありません。1950年代の音源もほとんどモノラルですが、音は良い方です。鑑賞には問題無しです。
収められた曲の1曲、1曲の感想を書くと長くなりますので、印象に残ったものを簡単に紹介しますが、この中では、やはり私が最初にデニス・ブレインを知ったカラヤンとのモーツアルトの4曲のコンチェルトを最も好みます。この4曲では彼の脅威的なテクニックとホルンの美しい音色、そしてモーツアルトの美しいメロディーを堪能出来ます。カラヤンの伴奏も最高。(私はアンチ・カラヤンですがフィルハーモニア管弦楽団時代のカラヤンは結構好きです。カラヤンがフィルハーモニア管弦楽団と録音したマスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲はとても美しい曲ですが、この曲の後半のオルガンのパートをデニス・ブレインがやっているのは結構有名)
また、ヒンデミットの協奏曲はデニス・ブレインのために作曲された作品で、ヒンデミットの指揮による自作自演盤、またR.シュトラウスの協奏曲も彼のために作曲された曲のようです。どちらも聴きごたえのある演奏で、ここでも彼の素晴らしい「音色」とテクニックとして抜群の音のコントロールを鑑賞することが出来ます。
ブリテンのセレナードは、テノール歌手とホルンとの絡み合いが絶妙な曲ですが、残念ながら歌の訳詩が無いため、何て歌っているのか分かりませんが、ただの曲として聴いても非常に興味深い曲でした。
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■ウイリアム・スタインバーグのベートーヴェン交響曲全集
■日本のオーケストラ2008
■カール・ベーム コレクション
では、今日はこのへんで・・・・・HIROちゃんでした。