毎年恒例、今年も元気に剣山へ行って参りました。

ふだんは最短距離の一宇ルートで登るのですが、今回は小屋平ルートから登りました。

去年このルートで帰った時、「コリトリ」なる場所への案内標識を数多く目にしたので、帰ってから色々調べたのですが、どうやらヘブライ語で「故郷への入り口」という意味になるそうです。

リフト乗り場のある「見ノ越」よりも古い、本来の登山口はこちらだったということでした。


実際にここから「一の森」を経由して山頂に至る登山道は初心者には厳しく、靴や杖もしっかり装備する必要があるので、クルマで立ち寄り、写真だけ撮りました。

コリトリは「垢離取」と漢字をあてており、「垢を離れさせて取る」というそのままのイメージで、登山前に身を清める禊の場所だと言われています。

実際にこの滝に打たれて、身を清める人もいるそうです。

新約聖書でイエスが受けたバプテスマとも、イメージは重なります。

登山口まではそれほどに気にならなかったのですが、山についてみると土砂降りの雨。

今年は初めて、往復のリフト券を購入しました。

9:30。リフトを降りてすぐにある案内板。

今日は時間的にも余裕があるので、最も斜面がゆるやかと言われる剣道コースを行きました。

初心者向けとは言っても、雨と霧で視界も狭く、脚を滑らせると崖下に滑落しそうな山道を登ります。

途中にある大剣神社。後ろにあるのは御塔石と呼ばれる巨石です。

その少し上にあるのが鶴石・亀石なのでしょうか。

左側、細長く上にのびた部分は、もともとさらに高くそびえ立っていた部分が折れて、短くなってしまっているそうです。

大剣神社を越えると、それより上は笹が多くなり、木が生い茂る印象はなくなります。

ふだんは直射日光が当たりますが、今年は雨もあり、真夏とは思えない寒さです。

霧の向こうに、ようやく山頂の建物が見えてきました。うっすらと浮かび上がる直線的なシルエットがおもしろいです。

ときどき不自然に立ち枯れた木が目につきます。

もともと木が生い茂っていたところを、火で焼き払って、平地にした形跡なのでしょうか?

いずれにしても、人の手が入っている地形なのでは?と勘ぐってしまいます。

いよいよ山頂。毎年来ているので、この鳥居を観ると「ただいま〜」と言いたくなります。

雨のなかですが、山頂の宝蔵石神社では祭りの準備に忙しそうでした。

お祭りの目玉として久武館道場の皆様が古武術を披露してくださるのですが、今年は忍者が登場するみたいです。山頂ヒュッテの食堂でうどんを食べているときに、写真を撮らせて頂きました。

山頂付近から宝蔵石の裏側を見下ろすと、やはり螺旋状に上に登れそうな階段みたいな道があります。

ほかに見ている人もいなかったので、勇気を出して石の上まで登ってみました。

ここを支点に扇型を描くよう、こちら向きの斜面が広がっているように見えます。演台と、それを取り囲む客席という関係を連想しました。


お祭りと帰り道の様子は、次回にお伝えします。