修士論文のとっても苦い経験がFacebookアプリの開発に
ソーシャル・リーディング サイトの booklook は、とっても苦い経験からそのアイデアが生まれました。
私はMBAを学ぶために大学院に進学しました。
その大学院では卒業の条件として論文の提出がありました。
論文を書くためだけではないですが、在学していた2年間で230冊くらいの本を読みました。最終的にはもっと読まなければならない本があったのですが、働きながらの勉強でしたから、それが限界でした。
さて、それでもこれだけ読むと、使えるところ、良い文章などとたくさん出会うことができました。これらはまさに「宝物」でした。
論を立てるためには、きっちり裏を取っておく必要があります。「裏を取る」というのは調査してデータを提示するか、先行研究(要は本の中)から引用するかのどちらかになります。すべてにおいて調査してデータを提示することは時間も費用もかかりますし、何より先人の研究結果をそのまま利用しない手はありません。
私はその「宝物」を仮説を支えるのに使おうと、本に直接線を引き、コメントを書き入れていました。
また、それとは別にノートにも、どの本の何ページ目にどんなことが書かれてあったのかも書き記しておきました。
しかし、いざ論文で引用するときになって、せっかく出会った「宝物」をもう一度見つけ出すことができないという事態に直面しました。
どの本のどのページにあったのかわからなくなってしまったのです。ノートに書いたメモも、ノートのどこに書いたのかさえみつからなかったのです。そこで1度見つけたはずの宝物を何とか探し出すために、もう1度本を読み直すこともしばしばでした。
限られた時間の中では非常にもったいないことでした。
だいたいどの論文も数10冊を参考文献として使います。私の場合52冊をあげました(実際にはもっと多かったのですが)。
そして、その中から、自分の「宝物」を容易に見つけ出せる仕組みが必要だと痛感しました。
もう1つ、論文をまとめるにあたってもっとも役に立ったのは、先生や友人たちの意見や何気ない、時に鋭い一言でした。ここから得たヒントは絶大でした。
間違いに気づかされたり、考えを補強する材料を探すきっかけになったり、適切な本を紹介してもらったり、と助けられることが多々ありました。
そして一緒に学び、遂に論文を書き上げた友人たちは皆、口々にこう言いました。「この論文は私一人で書いたものではない。」
誰もが自分の考えを堅持し、なんとかやり遂げることができたのは、他人の考えを聞く機会があったからだというのです。
しかし、学校の仲間も先生も、自分も、それぞれに忙しく時間を合わせることは容易ではありません。
ですから、1か月に1回くらいのチャンスに15分程度で自分の論文を説明し、コメントを求めるわけです。
しかし、そんな短時間で理解してもらえるほどまとまっていませんし、コメントする方も少ない情報に対して、バランス良い回答をすることはなかなか難しいものです。
このような経験から、私は引用のための「宝探し」をもっと簡単にして、他の人からのコメントを時間と場所にとらわれず、幅広くもらえる方法があれば、社会全体がより良くなるきっかけになると考えました。
そこで開発したのがbooklookです。
booklookでの読書ノートは基本的に自分のために作成します。
自分自身がより良くなれば、自然と周りの人もより良くなるでしょう。読書ノートは他の人も見れますから、考えるきっかけを与えることにもなります。さらに、コメントをつけてもっといい何かに変換していくこともできます。
Hiroshi Osanai さんの「いいね!」 |
