JR妄想劇場 「TOW ROSES」 第5幕①<過去> | 松井玲奈に夢中になろう

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「美しくもカワイイ」元SKE48のかすみ草 松井玲奈さんを応援するブログです。
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じゅりれな妄想劇場 「TWO ROSESクロ薔薇シロ薔薇

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くぅぅぅぅぅぅ

このオッサン
記事の冒頭から泣いてるな


鬱陶しいから
とりあえず放っておくか


しくしくしく

・・・

めそめそめそ

・・・

うおんうおんうおん

ちっ
根負けした

オヤジ
なんで泣いてるの


うえ~ん
みどり君 よくぞ聞いてくれました

このオヤジ
れなむちゅ
とうとうオッサンの画像を貼ってしまって

え~
オッサンの画像を


そう
かわいいメンバーの画像だけで埋め尽くされているのが
れなむちゅのに

しくしくしく
めそめそめそ

泣くほど嫌ならなんで
そんなオッサンの画像を貼ったんだ


いや~
それはストーリー上
どうしてもその役はそのオッサンでイメージして欲しいから

ふ~ん

いいですか~
読者様

珠理奈の○役は
タチの悪いあのオッサンですよ~

しっかりイメージして妄想劇場を楽しんでくださいね

それではそろそろ行くか

タチの悪いオッサンもある意味超大物ゲスト
「じゅりれな」妄想劇場「TWO ROSESクロ薔薇シロ薔薇
第5幕 <<過去>> ①  開幕で~す 



珠理奈の意識は記憶の渦の中を彷徨っていた

玲奈 「ごめんね 珠理奈
アタシ 行くね」


珠理奈 「えっ
玲奈ちゃん まって

「アタシはこの世界から出たいの・・・」

「玲奈ちゃんがいなくなったら
アタシひとりぼっちに・・・」




「さよなら 珠理奈」

玲奈は締め切られていた扉を開け
ふたりの世界から旅立っていった

「玲奈ちゃん 待って
行かないで」


まるで荒波の海に飲み込まれた小船のように様に
次から次へと迫り来る記憶の波

ただ
何故だろう

思い出したくもない記憶ばかりが甦る

記憶はさらに過去に遡り

「珠理奈
ごめんね」


「お母さん

「新しいお母さんと仲良くね」

「えっ
新しいお母さん

「じゃあね
珠理奈」


女は珠理奈に背を向け立ち去っていく

「お母さん
行かないで

お母さん」


珠理奈の呼びかけに応えたのだろうか
女が珠理奈に振り返る

「・・・
アナタが男の子だったら・・・」


「えっ
お母さん
お母さん」

また迫り来る別の記憶

「珠理奈」

「お父さん」


「もう
医者にならなくていいぞ」


「どういうこと・・・

今まで絶対医者になれって・・・」


「医者にはこの子がなってくれる」

そう言って父と呼ばれた男は
抱いている赤ん坊を珠理奈に見せる

「この子が・・・」

「そう
だから珠理奈は好きなことしていいぞ
女なんだから」


「・・・」

アタシは女だから医者にならなくていいって言うの

女だからアタシなんてどうでもいいって言うの


・・・

普段は心に蓋をして思い出さないようにしている記憶

ただ
決して消し去ることも出来ない記憶

誰からも愛されず
誰からも求められず

アタシという人間は
ここにいる意味があるのだろうか・・・


珠理奈が常に自分自身に問いかける問(とい)


アタシは・・・
アタシは・・・

玲奈ちゃん
アタシは・・・


『珠理奈
ねえ 珠理奈
大丈夫
珠理奈ってば

遠く意識の彼方から珠理奈を呼ぶ声が聞こえる

だれ
アタシを呼ぶのは

アタシは誰からも求められていないというのに・・・


記憶の波に翻弄されていた珠理奈の意識が
現実の今へと引き戻される

「う う~ん・・・」

珠理奈は眩しそうに薄っすらと瞼を開けた

みなみ 「珠理奈

「み・・・みなみ」

「珠理奈 よかった
気が付いて」


「・・・」

「急にうなされ出して」

「・・・」

「憶えてる

珠理奈 倒れたんだよ」




みなみは珠理奈を心配そうに見つめる


・・・倒れた 
アタシが・・・

あっ・・・
そっか
アタシ・・・


「でも良かった~
気が付いて」

「お兄ちゃん

お兄ちゃん

珠理奈 気が付いたよ~

みなみは大急ぎでヒロキを呼びに行く

・・・そうか
アタシ・・・気を失ったんだ
あのチラシ・・・
玲奈ちゃんを見つけて・・・


ヒロキ 「珠理奈 入るよ」

「・・・」

珠理奈は返事をしなかったが
ヒロキは意に介さず珠理奈の部屋に入ってくる

「大丈夫
珠理奈」

「・・・」



「急に倒れて・・・
頭とか打ってないかな
どこか痛い所はない

「・・・べつに」

「そう よかった

ヒロキはホントにホッとした表情を浮かべる

「珠理奈 ホントよかった~

ヒロキの後について部屋に戻ってきたみなみも
安堵の笑顔を浮かべる

「・・・んっ」

珠理奈はユックリと上半身を起こす

「大丈夫

心配して支えようと手を出すみなみ

「大丈夫だよ みなみ」

珠理奈は自力で体を起こし

「ホントにすみませんでした
ご心配かけて・・・」


と言って本当に申し訳なさそうに頭を下げた

「・・・

「あの・・・まだ少し辛いので
休んでもいいですか」


「あっ うん
そうだな
じゃあ みんな今日はもう寝ようか」

時計は午前3時を回っていた

「みなみも安心したら眠くなっちゃった~

そう言ってみなみは大きなアクビをする

「じゃあ
おやすみ 珠理奈
電気消すよ」

「はい
おやすみなさい・・・」


ヒロキとみなみが部屋を出ようとすると

「あの・・・」

「んっ

珠理奈は振り返った2人の顔をジッと見つめ

「ヒロキさん みなみ
ホントにありがとう」


と深々と頭を下げた

「いや いいよ
また 明日ね」

「珠理奈 おやすみ~
何かあったらみなみのこと起こしてね



「うん
ありがと みなみ
おやすみ」


バタン

ふたりが出て行った扉を
珠理奈はずっと見つめている

・・・ヒロキさん
みなみ
本当にありがとう


珠理奈はもう一度深々と頭を下げた
いつ終わるとも知れず

・・・翌朝

みなみとヒロキがキッチンで朝食を食べている

「ふああああああぁぁ
眠いな~」


みなみは大きなアクビをし
そのあと眠そうに右目を擦っている

「大丈夫かい
今日は休む

なんとも甘い兄貴だ

「ううん
大丈夫

ちゃんと行くよ」


「そっか
気をつけてね」

「うん

妹の方がシッカリしてる

「・・・珠理奈
起きてこないね」


「・・・そうだな」

そう言って2人は珠理奈の部屋のほうを少しの間見つめる

「・・・
「・・・

「まあ
寝かしておいてあげよう
確か今日はお店も定休日の筈だし」

今日は水曜日
珠理奈が勤めるカフェは毎週水曜が定休だった

「・・・珠理奈
すぐ元気になるよね



みなみは不安そうにヒロキに尋ねる

「・・・もちろんだよ」

と言うもののヒロキも少し歯切れが悪い

「・・・あのね
お兄ちゃん」


「んっ

「昨日のね・・・
珠理奈のことなんだけど」

「うん」

「みなみが看病してて」

「うん」

「それまでは凄く静かに寝息を立ててたんだけど
急に・・・」


「急に

「うなされ出して
玲奈ちゃん 玲奈ちゃんって

「・・・そう」

「あのサカエのチラシを見て倒れたんでしょ

「・・・うん」

「玲奈ちゃんって
あの玲奈さんのことだよね」


「うん
・・・多分」

ヒロキも気になっていたこと

倒れる直前に珠理奈が発した言葉
玲奈ちゃん

玲奈の名前を珠理奈に告げたことは無い

なぜ珠理奈は玲奈のことを知っているのだろう

・・・

苗字も同じ"松井"

ただよくある苗字
今まで気にも止めなかったが・・・

松井珠理奈
松井玲奈

・・・親戚
家族・・・
姉妹

色々な考えがヒロキの頭の中を駆け巡る

「倒れちゃうって
よっぽどだよね
玲奈さんと何かあったのかな

「・・・
まあ 考えても仕方ないよ」

「珠理奈が落ち着いたら
お兄ちゃんが聞いてみるから」

「・・・うん」

「ほら
みなみは元気出して

「・・・

「お兄ちゃんに任せとけ

「・・・
うん


みなみはニッコリと応える

"お兄ちゃんに任せとけ"
これはみなみのマジックワード

みなみにとって
全ての不安がなくなる魔法の言葉だった

両親の事故以来すべてを兄に委ね
みなみはここまで来たのだから

・・・

「いってきま~す

みなみは元気よく家を出て行った

「さてと・・・」

ヒロキも珠理奈のことが非常に気になってはいたが
今朝は関与先との打ち合わせが朝一で入っていた

手早く支度をして
キッチンのテーブルに

『出かけてくる
お昼には戻るから』

とメモを置き家を出た

バタン

・・・ガチャ

まるでふたりが外出したのを見計らったように
珠理奈が部屋から出てきた

珠理奈がリビングの窓から外の景色を見ると
ちょうど関与先へと道を急いでいるヒロキが見える

「ヒロキさん・・・」

珠理奈はヒロキの姿を見つめていたが
ヒロキの姿が見えなくなると
まるで懐かしむかのようにリビングの中を見渡す

ヒロキのお気に入りのソファー
みなみがいつもバラエティばかり観ていたテレビ
ふたりが散らかすから珠理奈がいつも片付けていた棚

そしてふと
壁に掛けてある写真で目を止める

ヒロキ みなみ そして珠理奈
3人でディズニーランドに行った時の写真だ

「楽しかったな~」


珠理奈はまるで遠い昔を懐かしむかのようだ

「・・・」

少しの間その写真をジッと見つめていたが

「ごめんなさい
これだけ・・・」


珠理奈は申し訳なさそうにそう言うと
その写真をフォトフレームごと手に取り
胸の真ん中に両手でギュっと押し当てる


その姿は
まるで大切な宝物を抱きしているかのようだ

「楽しかったな~
本当に・・・」


いつの間にか
珠理奈の瞳からは涙が溢れ出ていた

この一年
本当に楽しかった・・・


そう 昨年5月の土砂降りの夜
珠理奈がヒロキに拾われてから
もうすぐ一年が経とうとしていた・・・

・・・

お昼の12時過ぎ

「ただいま~」

ヒロキが関与先との打合せを終わらせ帰ってきた

「珠理奈のやつ
流石にもう起きただろ」

玲奈さんのこと・・・聞かないと

と思いながら
リビング
キッチンと移動したが珠理奈の姿は無い

「あれっ
まだ寝てるのかな」

ヒロキはそう呟いた時
キッチンのテーブルに2通の封筒が置いてある事に気付く

「んっ

見ると薄い封筒と少し厚みのある封筒が一通ずつ

薄い封筒の表に

ひろきさん
みなみ へ


と記されている

「・・・」

その文字が目に入った瞬間
ヒロキはなにかとても嫌な感じを受けた

・・・

ざわつく心を落ち着かせながら
薄い封筒をゆっくりと手に取り丁寧に封を開ける

「・・・

封筒に収められた便箋は一枚

その一枚の便箋に数行の文字が認(したた)められていた

たった数行
それをヒロキは何度も目で読み返す

10回も読み返しただろうか

ヒロキはやっと便箋をテーブル上におき
窓の外を眺め大きなタメ息をひとつついた

「・・・珠理奈」

便箋にはこう綴られていた

ヒロキさん
みなみ

ありがとう

本当に

本当にありがとう

・・・・・・・・・・・・珠理奈

その数行を残し
珠理奈はヒロキとみなみの下(もと)を去っていった

ヒロキとみなみが
リビングのフォトフレームがなくなっていることに気づいたのは
ずっと後になってのことだった・・・


第5幕 <<過去>> ⑤ 閉幕


オッサンは"やすす"だったか

うん
タチ悪いオッサンだろ

うん
かなりタチ悪いな


それと手だけの画像があったけど

うん
アレももちろん珠理奈の手

こだわってるな

モチロン
こだわりこそ妄想劇場の命なのだ