Syokutaku1 幸福な食卓(講談社)
★★★★:80点

瀬尾まいこさんの小説は「天国はまだ遠く」のみ未読ですが、独特の空気に包まれています。私が知っている範囲の(めっちゃ狭い範囲ですが)他の作家さんで、このような空気というか雰囲気はちょっと思いつきません。

************ Amazonから ************

<出版社/著者からの内容紹介>
「大きなものをなくしても、まだあった、大切なもの。」
とっても切なくて、ちょっとおかしくて、あったまる。 いま最注目の作家が放つ、心にふわりと響く長編小説!

「父さんは今日で父さんをやめようと思う」。・・・父さんの衝撃的な一言で始まる本作品は、いま最注目の新鋭作家・瀬尾まいこ氏による4作目となる長編小説であるとともに、主人公・佐和子の中学~高校時代にかけての4編の連作による構成となっています。 佐和子の“少しヘン”な家族(父さんをやめた父さん、家出中なのに料理を持ち寄りにくる母さん、元天才児の兄・直ちゃん)、そして佐和子のボーイフレンド、兄のガールフレンドを中心に、あたたかくて懐かしくてちょっと笑える、それなのに泣けてくる、“優しすぎる”ストーリーが繰り広げられていきます。

<内容(「BOOK」データベースより)>
父さんが自殺を失敗したときも、母さんが家を出たときも、朝は普通にやってきた。そして、その悲しい出来事のあとも…。泣きたくなるのはなぜだろう?優しすぎるストーリー。

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【以下、ネタバレあり。注意】

それにしてもなあ・・・。終盤にあのようなことが起こるとはなあ。暗転。全く予期していなかったので絶句です。瀬尾さんは優しさや温かさを描きながらも人生の厳しさを伝えようとしたのかなあ。悲しみとか試練は突然にやってくるということか・・・。それにしてもなあ・・・。残酷やなあ・・・。心にぽっかりと穴が空くわなあ・・・。

ただ、それまでのペースのまま小説が最後まで続いていたら、生きることや家族のあり方の難しさ、その一方で大切さを不思議なムードで描きながらも、ちょっと優しさや温かさが強すぎるかなとも思いました。このあたりは評価が分かれるところでしょうね。

★印象的だったシーンや人物:

色々気をつかう父さんや母さんに冷たい言葉を返してしまう佐和子。とくに父さんに言ってしまった言葉には自分でもしまったと思うが・・・。
「かわいそうに」
しばらくして直ちゃんが言った。
「そんなこと言うほど、佐和子は傷ついているんだね」

小林ヨシコ。
直ちゃんのGFで、ちょっと、いやかなり変わった女の子(女性)だが、実は物事の本質をとらえている不思議な魅力の持ち主。不器用だけれど彼女の言葉で佐和子は少しずつ本来の自分を取り戻す。

大浦君の無愛想な弟との会話。
「大丈夫だよ」
「そう?」
「大丈夫。僕、大きくなるから」
  ----佐和子同様、このシーンに希望を見ました。

参考ブログ:

  ゆきうさぎさんの♪ウサギ・動物・花・写真・絵・本・・・・♪
  ざれこさんの  本を読む女。改訂版
  苗坊さんの”苗坊の読書日記”(2007.9.6追加)