こんにちは^_^
「繰り返し」弾くとき
どのような目的で行いますか?
演奏の準備には,
この反射作用をもたらすような繰り返し
_単に意識的に決められた
手順を踏む繰り返しではなく,
各手順に必ず音楽的感情が伴うような
繰り返し_が要求される。
故アルトゥル・シュナーベルの息子
カール・ウルリヒ・シュナーベルは,
この種の練習について楽しい話をしている。
ある日,父親のスタジオの外で
聴いていたら,たったひとつのパッセージを
200回も繰り返していたという。
父親が機械的練習にどれほど不賛成だったか
知っていたので,なぜこんなに繰り返すのか
訊いたところ,
「機械的に練習しているのではない,
音楽をつくっているのだ!」
と父親は反論した。
シュナーベルにとって繰り返しは
機械的な練習どころではなく,反対に,
たえまなく実験を繰り返すことが
音楽をつくる手段を
与えてくれることになったのだ。
繰り返しのたびに,
デュミナークの微妙な変化や指使いの違いが
心に浮かんでいたのかもしれない。
おそらく200もの変化が。
それゆえ,200回の繰り返しが
必要だったのである。
結局のところ,繰り返しの目的は,
納得のゆく解釈に到達することであり,
自分の音楽的意図がそれにもっともふさわしい体の動きと一体となるまで,
その解釈を繰り返すことなのである。…
抜粋: 心で弾くピアノ/Seymour Bernstein
佐藤覚+大津陽子 訳/音楽之友社
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