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初詣の帰り道、ユリアはどうにも気分が落ち着かないでいた。それもそのはず、お財布の中の五千円をどう使ったらいいのか、分からなくなってしまったのである。
とぼとぼ歩いてると、ユリアの大の仲良しのコウサカ・チナが、足早に走って来た。彼女はユリアの同級生で、私立聖鳳学園の中等部1年生である。
「ユリアちゃーん!!あけましておめでとー♪ 元気無さそうに歩いてたけど、どうかしたの?」
「にゃお!!チナにゃん♪あけましておめでとにゃー!!そうそう、チナにゃんに相談があるんにゃけど、今いいにゃか~?」
「うん!!いいよー♪あ、じゃあ、うちに寄って行きなよ」
「行くにゃー!!今年もチナにゃんのお父しゃんの作ったケーキの、初食いしなきゃにゃw」
コウサカ・チナの父親はカフェ・レストラン「コウサカ」を経営していて、ユリアはちょくちょく試作品のケーキの味見をしていた。ユリアの気に入ったケーキは売れ行きが良く、ケーキ作りの才能も見込まれてたりして高等部に進学したら、アルバイトをして欲しいとまで言われてるのだ。
さっきまでの元気の無さが嘘のように、元気に走りだすユリアであった。
チナのご家族はご両親と弟の4人家族で、とても仲が良い。彼女はたまにお店のお手伝いをするのだが、愛想笑いが不得意で接客が苦手である(汗)
「おじじゃん、おばしゃん、弟にゃん、あけましておめでとうごにゃいます!!今年もよろしくお願いしにゃす」
ユリアのいつもの元気のいい挨拶を聞くとニコニコして、みんな笑顔で挨拶した。
「はい、ユリアちゃんお年玉。去年はすごく助かったから、今年もよろしくね♪」
思いもかけず、チナの父親からお年玉を受け取ったユリアは、とてもとても喜んだ。
「やったー!!お父しゃんの言う事聞いて、無駄遣いしないで良かったにゃ おじじゃん、ありがとうごにゃいます」
「さぁさぁ、今年1番に試作したケーキを食べてみて! 今年の目玉商品にするからね」
色とりどりに飾れられたケーキを、ユリアはパクパク食べ始めた。
「そういえばユリアちゃん、相談事って何だったの?」
チナがユリアに聞くと、笑いながら答えた。
「もう分かったにゃw 無駄遣いしたらいけないってことにゃ♪」
第1話「初詣とお年玉」 おしまい
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