さてさて、お話しを書いていると自分では考えてもない結果を生み出す事がある。
ノートに書き留めていたストーリーを壊し、別のルートを選択しているのだ。
自分では想定していた事でも、キーボードで打ち込んでいる文章はまるで違う・・・
と、そんな事を考えつつ、俺はコーヒーを喉に流し込んだ。
インスタントだが仕方が無い。
喫茶店などは、いつの間にやら姿を消し、スターバックスなどで物書きは出来ない・・・
何故こんな事になるのだろう?
耳に入って来る音楽?
雨の音?
蒸し暑いこの部屋?
自分が物書きをしている事に不満がないのだが、相変わらず締め切りという物がやってくる。
俺の担当の田中さんが、ふと声をかけてきた。
「先生、入稿に間に合いそうですか?」
俺は彼のおどおどした態度はあまり好きではないのだが、以前の担当よりはよっぽどマシだ。
「ちょい待ってくれな。 後、ちょっとなんだけどなぁ」
俺は困らせようと思って言ったわけではないのだが、田中さんは腕時計を気にしながら、あたふたし始める。
(しょうがないなぁ・・・ )
俺はノートに書いてある通り文章を直し、田中さんへ渡した。
「ありがとうございます・・・ これで上司に叱られずに済みます」
田中さんは俺に頭を下げると、俺のマンションから急いで出て行った。
で、それが読者には好評なのであるのだから、調和した物語というのがいいのであろう。
自分が最初に書いた物語ではあるのだが、やはりルートを変えた話しの先も見たいといつも思う。
おしまーい(´pゝω・)ニャオ