衆参ダブル選挙の様相が一段と強
まってきた。改元フィーバーに便
乗した「令和解散」を目論む安倍
政権の思惑をメディアは検証もせ
ず、相変わらずその片棒を担ぐ。
「新天皇が植樹祭で11年ぶりにお
言葉」などと他愛もない言動を伝
え、有り難がる始末である。危惧
するのは、上皇夫妻に比べ、新天
皇の護憲意識は希薄ではないかと
思わせることだ。トランプ米国大
統領の国賓招待など次々改元イベ
ントを演出してきた最終的な狙い
はダブル選突入にあったのは間違
いない。内閣支持率は下がらず、
このままでは準備不足の野党に悲
惨な結末が待っているとしか思え
ない。
象徴天皇として、内外で戦没者慰
霊への旅を重ね、憲法遵守の思い
を伝えてきた上皇夫妻は改憲意欲
を露わにする安倍首相と不仲であ
ることが何度も伝わってきた。し
かし、今回の「即位後朝見の儀」
で、新天皇は「憲法を守り」とい
う言葉を使わず「憲法にのっとり
」と、より軽い印象を与える表現
にとどめたのは、それだけ護憲意
識が薄いためという見方もある。
確かに練り練ったはず言葉は、政
権と反目したくない側近らの助言
も受けて作成され、安倍政権の意
向が反映していると見るべきだろ
う。上皇のように、安倍首相と不
仲と見せないため、官邸筋を通し
てチェックが入っていた可能性が
高い。トランプ大統領の訪問時、
最大限歓迎行事に協力する新天皇
夫妻の姿が危うく見えて仕方なか
った。「スパーボールの100倍
すごいこと」と招待し、「忠犬ぽ
ち」のごとく付き随う安倍首相の
軽挙な振る舞いも数々目立った。
こんな空虚な改元騒ぎに関わらず
、内閣支持率はどの調査も40%台
を切らなかった。今月に下旬には
G20が大阪で開催され、「何かや
ってる感」の演出材料には事欠か
ない。このまま野党協力が進まな
い段階で、安倍首相が会期末解散
をしたくなるのは確かで先日、支
持者を前に「(解散)風はコント
ロールできない」と発言、野党を
揺さぶったのも心の内の表れだろ
う。
選挙地盤の山口の先達である伊藤
博文と首相在籍日数が並び、悦に
入っていたが、それだけ他に首相
候補を持てない自民党の情けない
党内事情をさらけ出しているとも
いえる。衆院予算委員会の開催に
応じないのは、解散まで少しも失
点をさせないという議員らの忖度
のせいだ。
しかし、G20ではまだ習近平中国
国家主席とトランプ大統領が貿易
交渉で合意できるか見通しは立っ
てない。いつも通りの中身のない
セレモニーで終わる可能性が高い
。宣言に盛り込まれるであろうプ
ラスチックごみによる海洋汚染防
止などはどれだけ実効力があるか
分からない。
ダブル選を7月下旬を想定するな
ら、あまり時間はない。衆参とも
与党優勢が伝えられる中、野党か
ら挽回する覚悟や戦術が依然伝わ
ってこない。このまま手を拱いて
いるだけなら惨敗は必至で、この
国の立憲政治は壊滅的危機を迎え
ることになる。
【2019・6・6】


