京都・節分会グラフティ | 平野幸夫のブログ

平野幸夫のブログ

ギリシャ語を語源とする「クロニクル」という
言葉があります。年代記、編年史とも訳されま
す。2014年からの独自の編年記として綴りま
す。





梅のつぼみもほころぶ陽気に誘わ
れ、京都の節分会に出かけた。平
安時代に中国から「追儺の儀式」
と呼ぶ厄除けとして伝わり、今も
多くの寺院で催事がある。急ぎ足
で洛中の2神社と2寺を駆け巡り
、鬼退治にまかれた福豆や餅をい
ただくと、悪霊退散と無病息災が
かないそうな気分になれた。






午前中に出向いた八坂神社の催事
は「祇園さんの節分祭」と呼ばれ
る。ちょうど後白河天皇が好んだ
「今様」と呼ぶ踊りを白拍子にふ
んした女性が昇殿で舞っていた。
豆まきの姿も典雅であでやか。拾
った豆もすぐ口にするのがもった
いなく、カバンに仕舞った。






東山沿いに北上、約25分歩いて、
修験道の本山、聖護院の門をくぐ
った。山伏姿の修験者らが集い、
甘酒を振る舞っていた。境内では
赤、青、黄3匹の鬼が豆まきで調
伏されて改心する儀式。僧らと一
緒に豆をまく珍しいこの節分会を
昨年見聞して魅かれるものがあり
、再訪した。豆まきの後、鬼が鉄
棒を伸ばして、参拝者の体にあて
る。それで邪気が飛んでいくとい
うご利益があるとされ、長い列が
できていた。自分も赤鬼のお鉄棒
を頭に当ててもらった。昨年の節
分会も当ててもらった。それ以後
、大きな病気はしていない。素直
にご霊験を信じたい。







近くの吉田神社の節分会は室町時
代から続く洛中最大規模で、毎年
約50万人が訪れる。800店の出
店が立ち並んでいるといい、その
にぎわいに驚かされた。昔、京の
鬼はまず、この地に現れたとされ
、吉田神社の追儺式は最も由緒が
あるとされる。ずっと平安京鎮護
の神として崇拝されていたことが
随所に伝わってくる。






最後に参拝した蘆山(ろざん)寺
は御所近くにあり、かつての紫式
部の邸宅跡に立つ。邪気払いの法
弓、護摩供など多彩な行事が続く
。何より赤、青、黒の3鬼の踊り
がユーモラスだ。外国人参拝者も
笑いながらカメラシャッターを切
る。豆と餅まきに歓声が上る。帽
子でポケットキャッチすると、幸
運をもたらす「福」の焼き印の入
った餅があった。社務所に持って
行くと、縁起の良い破魔矢に換え
てくれた。4日は立春。また新た
な気分で年の再スタートがきれそ
うだ。



(写真は廬山寺の赤鬼、八坂

神社の今様の舞と豆まき、聖

護院の鬼の鉄棒あてと赤鬼、

吉田神社と境内の露店、廬山

寺の3鬼と法弓、4社寺でもら

った福豆・餅と破魔矢の順)



     【2017・2・4】