パリの自衛隊への疑念 | 平野幸夫のブログ

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ギリシャ語を語源とする「クロニクル」という
言葉があります。年代記、編年史とも訳されま
す。2014年からの独自の編年記として綴りま
す。

 「積極的平和主義」という言葉のまやかしが、パリ・


シャンゼリゼ通りをかっ歩いているようで、複雑な気


持ちが入り混じった。専制君主から市民が自由を勝


ち取ったフランス革命(1789年)を祝う14日のパリ


で、戦後初めて自衛隊員が日の丸を掲げて軍事


パレードに参加した。メディアではあまり大きく取り


上げられなかったが、憲法が禁じている集団的使行


使に向け暴走する政府が、国際社会に向け「海外派


兵する国になった」と宣言したような象徴的なシーン


と受け止めた。


 この2日間国会論議をじっくり、聞いた。安倍首相は


戦闘行為を目的とした海外での武力行使を否定しな


がら、中東ペルシャ湾での機雷封は武力行使にあた


るのに、経済に与える打撃によっては、集団的自


権を行使する可能性に言及したことが際立って印象


的だった。


 まさに衣の下から鎧が見えた。今後、自衛の名の


下なら、地球の裏側でも行って武力行使するという


疑念が高まる。フランス革命の13年前のアメリカの


独立革命後に独立宣言を起草したジェファーソン(



第三代大統領)の言葉を今だからこそかみしめたい




「自由な政治は猜疑にもとづいて建設される。われ


われが権力を託さなければならない人々を、制約的


な憲法によって拘束するのは信頼、猜疑に由来する


。(略)それゆえ、憲法の鎖によって、非行をおこな


ないように拘束する必要がある」



 権力の濫用を防ぐための立憲主義の重要さを教え


て、意義深い。政府は憲法という自らを縛る鎖を強引


に外そうとしている最後の局面に見える。13日の滋賀



県知事選挙は、まさに県民がもう一度ふり払われ落ち



鎖を拾い、縛り直そうという意思ではなったか。国政



選挙は16年の参議院選挙までないが、できることは、



治体選挙でも、住民が一つ一「戦争をしない国」を守



る意思を政権に突き続けることだろう。


                     【2014・7・15】