昨日MICE関連予算の審議を含め、臨時議会が開催されました。
27日の全員協議会で、市長より明確にMICE施設の建設を推進するとの表明を受け、市側が3月議会にて否決された議案を、わずか2週間後に、再上程してくるという異例な展開となりました。
この間、いろんな経済団体から建設へ向けた要望も多数出されました。
私は、これからの長崎にあって欲しい施設であるという考えに立ってはいますが、その理想は全て民間による土地取得・建設・運営であります。
そこに長崎市は、土地取得に72億円以上、建設費に140億円(現在の建設業界の状況を考えるとさらに高くつく可能性大)、もの巨額の税金を投入しようとしています。
建設したらしたらで、これに何年にもわたり、多額の維持費・修繕費もかかってきます。
大型事業が目白押しの長崎市が、
さらにこの巨額な市税を投入する事が可能なのか?
また妥当なのか?
またやっていけるのか?
将来世代に負の遺産とならぬよう十分な議論と審議、市民への周知と、幅広い意見の集約を図らなければなりません。
しかしながら現在、このような判断をするに当たり、その判断材料が実に乏しく、与えられたデータを鵜呑みにするしかないのが現状でした。
これでは、
『責任ある決断は出来ない。』
との事で、3月議会では今後判断できる状況になった際に改めて審議し直すとの意味で、その予算を修正削除し、否決した次第でした。
ところがその2週間後、市長より建設推進の表明があったばかりか、マスコミの取材にそのスケジュールまでをも示し、31日に議会へ再上程し、その可決を持って議会は建設へ向け、Goサインを出したと受け止める趣旨の発言をされたようでした。
判断をするに当たり、わずか2週間で何が変わったのか?
その判断材料も新たに示されず、ただ驚くばかりの展開の中、昨日の委員会でも経済局長より、この議案が可決されれば、議会から建設へ向けGoサインが出たと受け止めるとの発言が冒頭になされ、紛糾する事となりました。
とても受け入れ難い話ではありましたが、これを否決すると逆にMICEの話は潰れてしまう事にもなります。
これもまた避けたい事です。
今回の予算は、『仕様書案作成』等の議案でありました。
あくまでも可能性調査。
そして出来上がった仕様書そのものが、判断材料の1つです。
これに対し、『この予算が認められればMICE建設において議会は同意をした』と受け止めると、一方的な考えを付して上程してきているのが大問題です。
議会は追認機関とでも思っているのでしょうか?
議会軽視は市民軽視であります。
市当局には事の進め方を反省して欲しい所です。
今回私達議会は、MICE施設建設が、長崎市経済に与える影響とその負担の費用対効果を確かめるべく、その可能性調査の予算は認めました。
ただし、賛成するに当たって、
今回の予算が、認められればMICE施設建設に議会は同意したと受け止める発言は到底受け入れられず、あくまでも仕様書案の作成に了承したものであり、作成が完成した際に改めて議会へ説明する事はもちろん、市民に対しても説明を行い、十分な議論がなされた後に、土地取得の議案を提案して頂く事を要請する意見を付して賛成した次第であります。
よって決してMICE施設建設に賛成した訳ではありません。
今後の土地取得、建設についてはこれからの審議である事を、皆様に明確にしておきたいと思います。
これにより、6月議会には土地取得の議案を上程し、着々と進めようとする市に対しブレーキをかけながらも、可能性を探り、建設に向けた動きにはストップはかけないという事となりました。
何卒ご理解を頂くとともに、今回私達議会は大いにその存在意義を試されたと思います。
その判断においては評価して頂れば幸いであります。
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