昨晩、カトリック長崎大司教区の高見三明大司教の講話をお聞きしてきました。
カトリック教会の立場から、『長崎の教会群とキリスト教関連遺産』が世界文化遺産登録となる意義というテーマです。
高見大司教自身、数年前そのような動きがあると聞いた時点では、世界には100年を越える素晴らしい教会は多数あり、長崎の教会が世界遺産になるとは到底無理があるものと思われたそうです。
その後、今回の世界遺産登録が文化遺産としての登録である事と、禁教時代迫害を受けながら250年もの間、神父様がいないにもかかわらず、その信仰を命掛けで守り続けてきた歴史は世界でも稀であり唯一のもので、その教会は人々の信仰心が形となって現れたものである事。
そして、信仰の継承の証でもあり、それは命掛けで信念を貫いていった歴史は、人間の尊厳とそれに基づく基本的人権の1つである「信教の自由」を貫いた事の証でもあるとの認識に至り、その価値に十分に値するのではとの考えに至ったとの事でした。
「長崎の教会群を世界遺産にする」動きは、カトリック教会からは一切働きかけたものでなく、2006年に長崎県より問い合わせがあり、そのような動きに対しての見解を求められた所、
「カトリック教会として特に反対する理由はありません。」
との回答をされたとの事でした。
その後翌年、候補地として正式決定し、暫定リスト入りし現在に至ります。
今年の候補地は、長崎市の軍艦島をはじめとする『近代化遺産群』の登録を目指す事が政府決定された事は記憶に新しい所です。
長崎の観光を考えれば軍艦島の登録は大きなインパクトと集客効果が期待できるところであります。
まずはその登録へ向け長崎市としては全力を注ぐ所ではありますが、その後立て続けに教会群の登録も目指します。
『長崎の教会群とキリスト教関連遺産』の世界遺産登録の意義について、講話をまとめると、
①長崎、ひいては日本の文化水準の認知度が世界的に高くなる。
②世界平和に貢献できる。
③世界に誇れる日本の宝として自覚できる。
というような内容でありました。
特に②に関して、世界遺産登録において、今回文化遺産としての登録を目指しております。
『文化とは、心の表現である。』
その心の表現である文化を人々がお互いに大切にする事ができれば、争い事は起きない。
ひいては平和を実現できる!
とのお話が、さすがカトリック教会大司教ならではの内容でありました。
また1つ、長崎から世界へ向けて平和を発信し、貢献できる資産として、その登録への意義を十分に理解できた講話でありました。