9月18日〜10月3日まで日比谷シアタークリエで上演された、
ミュージカル『Gang Showman』。
この程、オフィシャルの舞台映像がUPされていましたのでシェアさせていただきます!
https://www.youtube.com/watch?v=DahkyaRtdME
InstagramやTwitterでは公演を無事に終えたことをご報告させていただいておりましたが、
最近どうしてもブログから遠のいてしまっている為、ご報告が遅くなりすみません。
昨年からアップしようとタイミングを逃している記事も山程ありまして・・・。
機会を伺っているところです。
『Gang Showman』の公演が終わってからひと月経ちましたが、
少し振り返ってみたいと思います。
どうかお付き合いください。
これはオフィシャルで発表されていることですが、
このオリジナルミュージカル『Gang Showman』は元々別の演目を上演予定だったのを急遽変更し、一から作り上げた作品です。
世界中がコロナの影響で大打撃を受けるなか、劇場空間を大切にする私たちの舞台業界でもかなりのダメージがありました。
演目を変更すると連絡が入って、驚きと共に制作が間に合うのかという不安がありました。
しかもソーシャルディスタンスを逆手に取る演出と言われ、
興味をそそられる反面、実際の感染症対策と演出が相まってより難しくなることが分かりました。
ご観劇いただいた方でお気付きの方もいらっしゃったかもしれませんが、
「触れられない」んです。
芝居で感情のままに詰め寄っても一定の距離を保つ。
つい手を差し伸べたくなっても触れない。
ナンバーの終わりの集合して決めポーズ・・・も作りませんでした。
カンパニーによってルールは違いますし、これが正解という訳ではありませんが、
我々のカンパニーはそのようなルールでした。
(本当はもっと多くの決まり事があります!)
稽古中から少しでも距離が近くなると別の演技プランにし、
感情のまま芝居をするとつい触れてしまいそうになるのを防ぐ為ミザンスを変え、
今までとは正反対である、自由に動かない為の努力をする必要がありました。
それでいて不自然に見せてはいけない。
潔癖症で高所恐怖症で金属アレルギーという設定はなかなか難しく、
だからこそ唯一触れる、一番ラストのダンスが活きてきます。
ジェイムズとメアリーが最後の最後、想いを通わせた時だけ手を取り合って踊ることができますが、
想いを知ることができるのはメアリーが一人残され、
ジェイムズが亡くなり、父ロバート(リチャード)も魔法が解けてゴーストに戻されてしまった後。
触れることは叶わないが離れていても心の繋がりまでは失っていないというメッセージに、
設定は違えど、コロナ禍となった今忘れてはいけない他者との心の繋がりの大切さを重ねていました。
演出・脚本・振付の玉野さんの描く、切ないけれど心温まるメッセージと、
このタイミングでこの題材に挑戦されたこと、
時間がないなかオリジナル作品を一から作り上げた熱意に、
尊敬と感謝の気持ちを送ります。
真っ直ぐな心で、人を信じ諦めない。
そんなメアリーを演じることで、自分自信力をもらいました。
個人的に父の七回忌の法要がコロナで中止となり、家族にも会えず落ち込んでいたところに、
亡くなった父が見守ってくれているという設定…。
父からの手紙を読む最後の場面、
「ありがとう、パパ…!」は毎回亡き父への想いで溢れていました。
座長の屋良朝幸さん、そして中山秀征さんを始めとする心強いキャスト達。
クラブスマイルのメンバーとして音だけでなく芝居でも盛り上げてくれたバンドメンバー。
作品への愛と熱意で最後の最後まで見守ってくれたクリエイター陣。
稽古場からいつもの仕事に加え消毒や換気に細心の注意を払ってくれたスタッフの皆さん。
みんなが健康で無事にお客様に作品を届けられるように尽力してくださった製作の皆さん。
そして不安のあるなか一歩を踏み出してくださったお客様。
関わった全ての人で作り上げた作品だと、これ程強く感じたことはありません。
感謝してもしきれないくらい、大切な経験をさせていただきました。
本当にありがとうございました。