昨晩はアントワープまでクラシックのコンサートに行ってきました。
 
とても楽しみにしていたコンサートだったのですが、予定されていたピアニストが直前に体調不良でキャンセル、急遽代役が立てられることになりまして…。
 
3日前の火曜日の話なのですが、僕らは友達であるオーケストラのメンバーから直接顛末を聞いていました。このピアニスト、現役では巨匠と呼ばれる Radu Lupu ラドゥ・ルプー。僕は彼の演奏はソロのリサイタルで2回ほど聴いているのですが、オーケストラとの共演となる、協奏曲のソリストとしてはまだ生演奏の機会に恵まれていなかったのです。ちょうど2年前にもやはり体調不良による降板となっていたのですよね。

 
降板の多さでは、ブリュッセル在住のピアニスト、マルタ・アルゲリッチのほうに軍配が上がりますが(日本のコンサートはしないのでしょうが…、結構地元軽視!)、ルプーも2回続いちゃうとはねぇ。まぁ、御歳72才とご高齢なので仕方ないとは思いますけれど。
 
そして、翌日水曜日に代役に決まったのが、スティーヴン・オズボーン Steven Osborne。プロフィールをチェックすると、1971年生まれと僕と同世代(誕生月によっては日本でいうと同学年)なので、ちょっと親近感湧いたりして。昨年は 東京都交響楽団 で客演していたようですし、その前にもリサイタルで来日もしているようですね。
 
さて、昨日の当日。オーケストラのオフィシャルサイトは、この演者変更は反映されておらず…。販売されているプログラムもバッチリ Radu Lupu のまま。
 
ほぼ満席となって聴衆は、開演時間となってステージに登場したプレゼンターにこの事情を伝えられて、初めて知ることとなったのでした。
 
 
 
プレゼンターによるこの日の演目や変更後のソリストの紹介などに続き、コンサートはリストの 『前奏曲』 Les préludes という短めの交響詩で始まりました。
 
そして、続くピアノコンチェルト。元々は2年前に演奏予定だった曲と同じ、シューマンのピアノ協奏曲でしたが、途中でベートーベンのピアノコンチェルト第4番に変更になっていて、代役もそのままこのベートーベンを弾くことに。
 
う〜ん 🤔 出だしから調子出ないようですね。最終の第3楽章になってちょっと盛り上がりも見せましたが、全体としてYvesも僕も琴線に触れることなく…。
 
いやあ、仕方ないですよね。2,3日前に急に決まってイギリスから飛んできて、練習もほとんど出来ないままリハーサルだったんですから。その辺は僕は差し引いて評価したいと思います。それでも、客席からは温かい拍手が送られたのは、ちょっと救われた気持ちになりました。それでも表情の硬いオズボーン。
 

アンコールを披露する際には演奏者が曲を紹介するものなのですが、オズボーン開口一番 “Je suis désolé”「(ルプーじゃなくて)ゴメンなさい」と謝罪から入りました。巨匠ルプーを聴きに来たのに、自分のやっつけ演奏で申し訳ない、という素直な感情だったのでしょうね。ただ、この挨拶がオランダ語圏のアントワープでフランス語でされてしまって、また場の空気を掴めなかったのも残念(まぁ、クラシックのコンサートを聴きに来るベルギー人ならば言葉は理解しているのですが…)。今日明日と同じプログラムは、ハッセルと、アントワープで続くので、英語のままでいいよ、と助言したほうが、とオーケストラメンバーに伝えました。
 
本当に大変だと思うんですよ。僕にも個人的に経験があります。前に彼氏に発展するかもしれなかったパリ郊外に住むピアニストの処に遊びに行って、僕の好きな曲、ベートーベンの『月光』ソナタをリクエストしたんですよ。そうしたら、それがボロボロでして…。替わりにショパンのノクターンか何かを披露してくれたけれど。この『月光』をバッチリ弾かれたら、恋に落ちていたかもしれません。笑。結局はご縁がありませんでしたね。ジャンルは少し違うとはいえ、年間を通じてコンサートやリサイタルに忙しい人ではあったので、その時プロの演奏家でも練習しないと弾けないものということを学んだのでした。
 
休憩後にニールセンの交響曲第2番を聴き終わって、僕らは友達のヴァイオリニストと共に、ホール併設のオーケストラメンバー専用バーへ。
 
 
 
「フランダースの犬」のネロビールを飲んで、久々に歓談しました。以前飲んだパトラッシュビールより美味しかったです。
 
 
面白いのは、車通勤者用に置かれていた口内アルコールチェッカー。専属ドライバーのYvesはオレンジジュースでした。
 
 
仕事を始めて多少体が疲れているのか、帰り道、僕は助手席でぐーすか寝てしまいました。こうして、あちこちに行けるのも、Yvesの運転による賜物。コンサートに誘ってくれる友人とともに感謝です。
 
 
 
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