ウォール街のエリート銀行員ディヴィスは順調に出世し、何不自由ない生活をしていました。ある日、交通事故で美しい妻、ジュリアが亡くなりますが、涙を流すこともできませんでした。彼は、身近なものを壊し始め...。

 

愛する者を突然失い大きな傷を心に負った者が、自分の心を取り戻していく物語。まぁ、テーマ自体は、これまで、様々な形で描かれてきたものですが、地味で静かながらに重みを感じさせる描き方で印象的な作品に仕上がっています。

 

本来悲しいはずの妻の死を純粋に悲しめない辛さ。破壊するという行為をエスカレートさせていっても埋めることができない深い傷。破壊することでなく、壊れていた回転木馬を再生させることで、自身の心も再生させていく過程は心に沁みました。回転木馬に乗る子どもたちは、特別支援学校の教諭だったジュリアの生徒ということなのでしょうか。生まれなかった子どもの姿もそこに重なって感じられます。(ジュリアが特別支援学校に勤務していたこともサラッと触れられるだけだったりして、よくよく気を付けながら観ていないと何が何だか分からなくなる危険性の高い、少々、"不親切な"作品だったりします。)

 

そして、デイヴィスと、彼が自販機会社にクレームの投書をしたことで知り合ったカレンの息子、クリスの交流が物語の良いスパイスとなっています。自分の心を持て余し、子ども帰りしていくようなデイヴィスと小生意気でマセたクリスが対等な友人のように見えるのですが、クリスを演じるジュダ・ルイスが、デイヴィスを演じるジェイク・ギンレイホールに見劣りしない名演で魅せてくれています。ところどころに笑える場面もあり、重めの物語に適度な笑いと軽みを加えています。

 

全体に地味で、あとに響く伏線となる部分もサラッと描かれていたりして、説明的な要素が最低限に抑えられているため、よく観ていないと置いてきぼりを食ってしまうかもしれません。じっくり観ることで初めて気付ける設定などもあって、DVDなどで繰り返し観る方が楽しめる作品かも知れません。

 

とは言え、決して難解な作品ではありません。割と綺麗にオチもついていて、スッキリしていますし、きちんと観れば、普通に何かを感じ取ることができる作品です。

 

ちょっと分かり難い邦題ですが、作品を観ることで納得できます。

 

好き嫌いは分かれるかもしれませんが、心に残る作品だと思います。観ておいて損はないと思います。

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午後8時の訪問者

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医師のジェニー・ダヴァンは、ある夜、診療時間を大幅に過ぎてから鳴らされたドアベルに応対しませんでした。その翌日、近所で身元不明の少女の遺体が発見されますが、診療所の監視カメラにはその少女の姿がありました。自分が診療しなかったせいで少女が死んだのではないかという思いにさいなまれるダヴァンは、少女の生前の足取りを調べ始め...。

 

一見、サスペンスで、謎解きにドキドキさせられる面もあるのですが、サスペンスを楽しむ物語というよりは、ダヴァンの心の動きを中心に味わう物語になっています。

 

ダヴァンは、かなり有能で誠実な医師なようです。普通の医師であれば、彼女ほど罪悪感を抱くことも、熱心に少女の身元を調べることもしなかったでしょう。彼女の事件へのこだわりの強さは、違和え感を覚えるレベルですが、彼女が患者の身になって考え、患者に真摯に尽くす医師であることを丁寧に描き、そのこだわりに説得力を持たせています。

 

ダヴァンは、少女の身元を探ることで、その背景にある様々な問題に気付かされます。私たちも、きっと真剣に見ようとしなければ見えない問題に取り囲まれているのでしょう。自分が特に問題なく普通の日常を送っている同じ社会の中で、様々な問題のために基本的な生活さえままならない状況に置かれている人々がいることに、私たちは存外無自覚だったりします。本作は、そのことを私たちに知らせようとしているのかもしれません。

 

重い作品ですし、問題が解決されて万々歳というスッキリ感も味わえませんが、それでも、人と人が心を寄せ合う温かさが沁みてきて、希望が感じられました。

 

一度は観ておきたい作品だと思います。

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バーニー・トムソンの殺人日記

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グラスゴーの床屋に勤務する中年の理髪師バーニー・トムソンは、店のオーナーを誤って殺してしまう。動転した彼は母親に相談すると「冷凍庫に入れておけ」と言われる。指示通りに死体を冷凍庫に運ぶと、すでに別の死体が入っていた。バーニーは、その後偶発的な殺人を繰り返し…

 

いくら何でもな展開ですし、コントというかギャグというか、ドタバタの方向性は特に目新しい感じもしませんでしたが、それでも、連続殺人があって、死体がバラバラにされて、大量の血も流れていて、かなりブラックであるにも拘わらず、あまりグロい感じはなく、しっかりコメディになっていて面白かったです。

 

かなり雑な展開ですが、その雑な感じが、いい意味で力の抜けたちょっと緩くてシュールな雰囲気に合っていました。

 

あり得ない程、簡単に、しかも都合よく人が死んでいくのですが、このご都合主義も2時間ドラマなどでは普通にある範囲。まぁ、許容できるレベルでしょう。

 

主人公のバーニーを演じたロバート・カーライルもその母を演じたエマ・トンプソン、バーニーを追う刑事役のレイ・ウインストン、それぞれにいい味出していて印象的です。

 

なかなか掘り出し物感たっぷりの作品でした。観ておいて損はない作品だと思います。

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1963年11月22日、テキサス州ダラス。パレードをしていたジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されます。大統領の隣にいたジャクリーンは、父の死を理解できない子どもたちと向き合いながら、葬儀の取り仕切り、リンドン・ジョンソン副大統領の大統領就任式への立ち会い、ホワイトハウスからの退去といった業務に追われます。そんな中、亡き夫が過去の人として扱われていくことに憤りを覚えた彼女は...。

 

かなりドラマチックな出来事を淡々と描いています。過剰なドラマ性を排除しようとして排除し過ぎたのかもしれません。恐らく、本作を観るほとんどの人は、事の顛末を知っているわけで、そもそも、ストーリーの展開に驚きを持たせることなどできない物語なので、展開よりも、人物描写に重点を置いたのは当然のことでしょう。ジャクリーンの苦悩に焦点が当てられて彼女の苦悩に寄り添うように物語が進行し、知っている事実に新たな断面を見せられた感じもしました。ただ、それにしても、静かすぎたような...。もうちょっとドラマチックな要素が欲しかったです。

 

折角のジャクリーンの心情にしても、描き方がやや浅いようにも思われます。リンカーン夫人の大統領暗殺後の不遇の話を持ち出して自分と子どもたちの将来を考えて不安になる姿と夫であるケネディを偉大な人物として歴史に刻もうと覚悟する姿と、そのそれぞれの描き方が中途半端で、ちょっと軽薄な印象も受けてしまいました。

 

舞踏会でのジャクリーンの凛とした美しさなど、印象的な映像もあるのですが、全体としては印象の薄い物語になってしまっています。

 

リンカーン大統領について言及される場面が目立ちますが、暗殺後も歴史に名を留めています。リンカーンとケネディの他にも、ジェームズ・ガーフィールド、ウィリアム・マッキンリーの2人の大統領が在任中に暗殺されていますが、その2人は名は歴史の中に埋もれています。本作のような作品を撮るのであれば、"ジャクリーンのこの言動があればこそ、ケネディは歴史に名を刻んだ"という要素が欲しかったです。その部分が弱かったのが残念でした。

静かなる叫び

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1989年12月6日、カナダ。モントリオール理工科大学に通う女子学生ヴァレリーと友人の男子学生ジャン=フランソワは、いつも通りの1日を過ごしていました。しかし、突然、ある男子学生がライフル銃を携えて構内に乱入し、女子学生だけを狙って次々と発砲。犯人は14人の女子学生を殺害し、自殺します。重傷を負ったヴァレリーも、負傷した女子学生を助けたジャン=フランソワも、心に深い傷を負い...。

 

1989年12月6日。カナダ、モントリオール理工科大学で女子大生ばかりが狙われ、犠牲者14人、負傷者14人の被害が出た銃乱射事件を基に作られていますが、冒頭に字幕で説明されているように登場人物は架空のものです。

 

犯人の視点から、被害に遭った女子学生の視点から、負傷した学生を助けたジャンの視点から、物語が紡がれていきます。短時間の中で視点が入れ替わるので、作品の世界を味わうには、結構、集中力が必要となります。

 

犯人のフェミニストへの憎しみの強さが描かれますが、どうしてそこまで憎むのか、その背景にはあまり触れられません。被害者の人物像についても深く掘り下げられることはありません。"行間を読む"タイプの作品です。凝縮された緊張感のある映像に惹き込まれました。

 

犯人の男子学生がライフルを持って普通に学校に入れてしまう辺り、多分、大都会の駅のラッシュアワーに大量殺人が可能な武器を手にした人が紛れてもほとんど気付かれないのでしょう。日常に潜む恐怖が迫ってきます。

 

無駄を一切排除したというより、必要最小限を下回ってさえいるような情報量で、正直、もうちょっとしっかり描写して欲しいような感じもありました。短時間で、視点が入れ替わるので慌ただしい感じもしましたし、置いて行かれた感を抱いてしまう部分もありましたが、緊迫感のある映像には惹き付けられるものがありました。

 

一度は観ておきたい作品だと思います。

 

 

スキー事故で骨折し、リハビリセンターに入院した弁護士のトニー。リハビリに励む彼女は、元夫のジョルジオとの日々を思い出していました。10年前、彼女は、憧れの存在だったレストラン経営者、ジョルジオとクラブで、偶然、再会し、お互いに激しく惹かれ合い、結婚します。やがて可愛い息子が生まれ、幸せの絶頂を迎えますが...。

 

愛が破綻した以上ズルズル引き摺らずキッパリ別れて新しい人生を始めるべきか、一度は信じた愛を貫くことを優先させるのか...。先の見えない人生を生きている以上、正しい答えを導き出すことなどできません。

 

あまりに激しすぎるというか濃すぎるというか、気持ちが離れてしまう部分があって、観ていて心地よい作品ではありませんが、トニーにしても、ジョルジオにしても、変な妥協はせず、それぞれに自身の人生に真摯に向き合う姿勢には惹かれるものがありました。

 

長く曲がりくねった道を経て辿り着いた場所。希望を見せてくれるラストでしたが、まだ先に長い人生がある以上、これまでの彼らの選択の正否を評価することはできないでしょう。けれど、2人が自分たちの愛の一つの到達点を共有することができたこの体験は、この先の躓きから彼らを救うことになるのだろうと思います。愛の形には正解はないのだと実感させられました。

 

トニーを演じるエマニュエル・ベルコが本作の物語をその感情の表現で動かしていて見事な存在感でしたし、ジョルジオ役のヴァンサン・カッセルがはまり役です。特別にイケメンというのではないのですが、実にセクシーで魅力的。男っぽいちょっとマッチョな面と子どものようにあどけない面とのバランスが素敵でした。トニーが、何故、ジョリジオに執着してしまうのか分かる気がしました。本作の魅力は、この2人の演技に負うところが大きいのだと思います。

 

ちょっと重苦しい面もありますが、観ておいて損はない作品だと思います。

コブリック大佐の決断

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1977年、軍事独裁政権下のアルゼンチンでは、反体制派の活動家を捕らえラプラタ川に生きたまま突き落す〈死の飛行〉という処刑が行われていました。パイロットとして非情な任務を拒否したものの囚人たちを救えなかったコブリック大佐は軍から逃亡、ブエノスアイレスから離れた田舎町コロニア・エレナに住む友人アルベルトに匿ってもらいます。農薬散布の仕事をし、日用品店で働くナンシーと出会い、第二の人生を歩み始めますが...。

 

まぁ、映画にありがちな題材ではあります。不本意で非人道的な仕事に嫌悪感を抱いてそこから抜け出し新しい生活を築こうとするけれど妨害に遭い自由を勝ち取るために闘う。そして、そこにお約束のラブロマンス。

 

逃亡先で身元がばれるまでにサスペンスがあり、窮地に追い込まれた主人公が危機にどう対処するかで物語が盛り上がるはずなのですが、全体に物語のテンポも悪く、緩い感じで、緊張感には欠けます。

 

コブリック大佐を演じるリカルド・ダリンの佇まいは、なかなか渋い感じで悪くなかったですし、その恋人となるナンシーの移動手段が車ではなく馬だったりするところなどいかにもな感じがありましたし、"時代"を感じさせる雰囲気が漂っていて、その辺りは良かったと思いますが、まぁ、普通にある男女の恋物語といったところでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

スウィート17モンスター

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高校2年生のネイディーンは、何をしても上手くいかず、自己嫌悪しがち。彼女はイケメンで人気者で母、モナのお気に入りな兄、ダリアンを疎ましく思っていました。小学生の頃いじめられっ子だったネイディーンにとって、唯一の友人、クリスタが心の支えでしたが、クリスタがダリアンと付き合い始めたことで関係が崩れます。いつも見方をしてくれていた父、トムは4年前に他界していて、ネイディーンはひとりぼっちになり...。

 

ちょっと大人ぶってみたいけれど、実際はまだまだ子どもで、巧く大人っぽく振舞えず、自分の想いと実力のギャップにどんどん底なしに拗れていってしまう。そんないかにもな17歳女子の姿が、痛くて、切なくて、可笑しくて、ちょっと懐かしかったです。

 

ままならない自分の人生に対する苛立ちを周囲にぶつけて荒れるネイディーンの姿は、かなり痛いですし、眼をそむけたくなる部分も多かったです。けれど、そこには、多くの人にとってかつての自分自身が重なる部分があるのではないでしょうか。ただ、その分、青春からある程度離れた年齢でないとその痛さが辛いかもしれません。

 

自分の姿も周囲のことも見えていないネイディーンを温かく見守る家族や教師の存在が印象的でした。

 

周囲が敵にしか思えなかったネイディーンですが、傍から見れば、どう見ても、その関係の中で大変な思いをしているのはネイディーンでなく周囲です。ネイディーンが嫌う母も兄も、確かに問題を抱えているかもしれませんが、そのことでネイディーンに八つ当たりしたりはしません。ネイディーンとの友情を"裏切った"クリスタもネイディーンに十分すぎる謝罪をしますし、その後もできるだけネイディーンに声をかけています。ネイディーンをからかっていた教師のブルーナーも彼女の悩みを受け止めます。ネイディーンに好意を持つ男子もネイディーンに優しく接します。

 

観る者は、彼らの良さをネイディーンより先に見ることになり、そのために、ネイディーンに嫌悪感を抱いてしまったりしますが、それだけに、彼女がいかに大きな愛に包まれているかを実感させられもします。そして、そこが丁寧に描かれているからこそ、ネイディーンは自分の問題に気付き、周囲との関係を築きなおす過程にリアリティが感じられたのだと思います。

 

一度は観ておきたい作品だと思います。特に、青春から少し遠ざかった年代の方にお勧めです。

田園に死す

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寺山修司が自身の同名歌集をもとに映画化した自伝的色彩の強い作品。原作は未読です。

 

青森県の北端、下北半島、恐山のふもとの寒村。父に早く死なれた少年は、母と二人で暮しています。母との生活に嫌気のさしている少年の唯一の楽しみは恐山のイタコに父の口寄せをしてもらうこと。ある日、村にやってきたサーカス団の団員に遠い町の話を聞いた少年は隣家の憧れの娘に一緒に村を出ようと持ちかけますが...。

 

記憶は、自分が思っているよりもずっと曖昧で頼りないものだったりします。無意識の内に美化していたり、都合よく編集していたり、ある部分が曖昧になったり、いくつかのエピソードが混ざったり...。けれど、一方で、自分の中に積み上げられてきた記憶によって人生が築かれていたりもします。

 

そして、記憶や過去は現在にも左右されます。今に幸せを感じることができていれば、現在に至る過程をポジティブに評価できるもの。辛く厳しい体験も、"それがあってそれを乗り越えたからこそより良い今がある"と悪くない経験として受け止めることができるでしょう。けれど、現在が自分にとって受け入れられない状況であれば、その原因を過去に見出して、"あのことのせいで今のようになってしまった"とネガティブにしかとらえられないかもしれません。

 

全編にそんな人が過去を想う時に感じられるどこか幻のような空気感が不思議な味わいを醸し出しています。回りくどかったり、嫌らしい感じが漂ったり、不快にさせられるような場面も目立つ作品ですが、心の奥底にある郷愁を刺激させられ、観るのをやめられなくなるのかもしれません。

 

変えたい過去も、もみ消したい過去も、認めたくない過去も、全ての過去があってこそ、今の自分があるワケで、どこかで過去と折り合いをつけないと本当の意味で自分を受け入れることができないのかもしれません。

 

本作は、自分の過去を辿りながら、その過去と折り合いをつけ、現在の自分を受け入れていく物語のように思えました。

 

だからこそ、殺そうと思った母が作った料理を2人で食べながら、現在の新宿に移ることで物語を終える必要があったのではないかと受け止めました。

 

ラスト。1974年、今から43年前の新宿駅東口です。アルタではなく二幸が、みずほ銀行ではなく富士銀行が、三井住友銀行ではなく住友銀行が、ABCマートではなく銀座ワシントンがあった頃の風景もたまらなく懐かしく感じられました。

三つ数えろ

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レイモン・チャンドラーの「大いなる眠り」を映画化した作品。同じ原作が、1978年に舞台をイギリスに移して「大いなる眠り」のタイトルで映画化されていて、そちらについてはここにも感想を書いています。

 

戦争が終わった1940年代のロサンゼルス。私立探偵、マーロウは、ロンドン郊外に住む大富豪、スターンウッド将軍の家に呼ばれます。将軍は、次女のカルメンのことで古書店を営むガイガーから脅迫されており、その解決をマーロウに依頼します。マーロウは、その依頼を引き受けますが...。

 

同じ小説を原作として制作された映画ですが、1978年の「大いなる眠り」とはかなり違う部分もあります。1978年版の方が原作に忠実なようです。

 

とにかく、マーロウ役のハンフリー・ボガードをカッコよく撮った作品といったところでしょうか。

 

物語自体がかなり入り組んでいてややこしいのですが、それを整理し、話を進めていくために脇役たちがよくしゃべります。ちょっとつつかれるだけでネタ晴らしをしてしまう彼らですが、それは彼らが臆病だとかだらしないだとかいうことではなく、映画の都合。単に状況を混乱させるだけに嘘をついているようなヒロインも、結構、荒っぽく雑な行動をしながらもヒロインが逮捕されないのも、映画の都合。

 

そんな中、ハンフリー・ボガードとスターンウッド将軍の長女(カルメンの姉)役ローレン・バコールの2人が印象的です。ローレン・バコールが低音のセクシーな声で歌う「And Her Tears Flowed Like Wine」も良かったです。

 

観ていて、沢田研二の「カサブランカ ダンディ」(古い!?)を思い出します。「男がピカピカの気障でいられた」"古き良き時代"を懐かしみたい人の心をくすぐる作品なのかもしれません。