坂東三十三カ所の2カ所目、逗子市にある岩殿観音と呼ばれる十一面観音を本尊とする曹洞宗のお寺です。721年の創建で、行基が十一面観音像を造立して安置したと言われています。

 

990年に花山法皇が法要を営み、1174年には後白河法皇が参詣し、源頼朝、実朝、北条政子などが度々訪れていた名高いお寺ですが、明治時代の廃仏毀釈があり衰退していますが、その後も、泉鏡花も足しげく通い、このお寺を舞台に「春昼」「春昼後刻」を書いています。観音堂の右側にある池は泉鏡花の寄進によるもの。

 

逗子駅から徒歩17分程度。ちょっと長く歩きますが、ポイントになる場所には、案内板が置かれていて迷わず歩けました。途中までバスもあることはあるようです。少しでも歩く距離を短くするのであれば、逗子駅から久木東小路バス停までバスを利用するといいようです。

 

山門のところに入山料を入れるための箱が置かれていて「100円以上をお納めください」とのこと。

 

山門をくぐると正面に長い階段が見えます。全部で130段以上を上がると観音堂があります。観音堂の屋根は昭和末に茅葺から銅製に変えているそうですが、建物自体は江戸時代、1727年に再建されたもので、逗子市の指定有形文化財とされています。

 

観音堂の奥には、奥の院があります。奥の院には、行基が岩に掘った十一面観音が祀られていて、傍まで行って拝めるようになっていたようですが、立ち入り禁止になっていました。崩落の危険があるとのこと。立ち入り禁止のロープの前から奥の方を覗き込みつつ拝んできました。まぁ、扉も閉じらえていて奥まで見ることはできませんでしたが...。

 

階段を下りて、納経所へ。御朱印をいただきました。

 

観光地、鎌倉から少し離れるせいか、他に参拝の方は見かけませんでしたし、静かで雰囲気のあるお寺です。駅からの道もほとんどお店などがあるわけでもなくひっそりとした山間のお寺という印象でした。

 

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2018年(平成30年)1月31日拝受

 

海雲山(かいうんざん) 岩殿寺(がんでんじ)

宗旨:曹洞宗

本尊:十一面観音

所在地:神奈川県逗子市久木5-7-11