漫才ギャング スタンダード・エディション [DVD]/佐藤隆太,上地雄輔,石原さとみ
¥3,990
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品川ヒロシが自身の小説を映画化した作品。


売れない漫才師の飛夫は、借金で追い詰められた相方に解散を宣言されてしまいます。ヤケなった飛夫は、相方のところに来た取り立て屋とトラブルになり、留置場に放り込まれてしまいます。そこで、同じ房になった鬼塚龍平にツッコミの才能を感じた飛夫がコンビを組もうと持ちかけると鬼塚はあっさりOK。新コンビ"ドラゴンフライ"は人気を集めるようになりますが...。


いつまでも芽が出ない中、挫折してその道から離れる者、踏み止まろうともがく者。ひょんなことから新しい出会いがあり、新しい展開が生まれる。挫折から成功への紆余曲折とその過程での悩みと成長。若者たちの成長を支える大人たち、そして、健気な彼女。


どこかで観たことのあるような、これまで、様々な作品の中で繰り返し使われてきた素材が寄せ集められ、かな~り、ベタな物語になっています。基本的に青春モノの王道といったところ。登場人物たちも、典型的なパターンをなぞっている感じで目新しさはありません。それぞれの人物の動き、ストーリーの展開、きっちりと読めます。それはもう、面白いほどに予想通りに進んでいきます。


けれど、退屈はしませんでした。きちんと作られていて、演技陣も、それぞれがそれなりの力を発揮しているためなのでしょう。製作者側の視点よりも、観る側の視点に寄り添った作品だからなのかもしれませんが、2時間を超える作品でありながら、ほとんど負荷を感じずにラクな気持ちでラクに楽しむことができました。


前作「ドロップ 」と比較すると、相変わらず、結構、暴力シーンがあり、正直、こうした痛い場面が苦手な私としては、目を瞑りたくなるところもあったのですが、それでも、前作よりは、バイオレンス度は低くなり、その点でも、観やすくなっていると思います。


後々まで長く残る名作という雰囲気ではありませんが、軽く楽しめる作品で、清々しく観終えることができると思います。漫才のネタが、もう少し面白かったら、もっと良かったかも...。



漫才ギャング@ぴあ映画生活