黄金の七人 HDニューマスター版 [DVD]/ロッサナ・ポデスタ,フィリップ・ルロワ,ガストーネ・モスキン
¥2,940
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ジュネーブのスイス銀行。その大金庫の奥には7トンの金塊が保管されていました。その金塊を盗もうとする7人の男たちと犯行の指揮を執る"教授"の恋人、ジョルジア。銀行の真向かいのホテルから指令を出す"教授"の指示の元、6人の男たちが地下から大金庫に迫り...。


銀行から7トンの金塊を盗み出す。純金地金1gが円(2010年5月27日現在)なので、その100万倍、約円の価値があるということになります。そんな大それたことをしているわりには、何だかゆったりというか、まったりというか、ゆるい雰囲気になっています。そのギャップが絶妙で、裏切りが相次ぐ犯罪映画を明るい雰囲気の娯楽作品に仕上げています。大きな犯罪を描いている割には、少々、スリルが足りない気もしますが、いかにもイタリアという感じのするちょいワルなお洒落な感じが心地よかったです。


「ルパン三世」も影響を受けている...というのも、成る程。ロッサナ・ポデスタ演じる"謎の美女"ジョルジアは、まさに峰不二子。峰不二子をリアルな人間にしたら、確かに、このロッサナ・ポデスタ以外の何者でもないでしょう。奇抜な感じもする衣装や眼鏡を可愛らしくお洒落に着こなし、本作の雰囲気を引っ張っています。


やっとの思いで盗み出した金塊は、二転三転の後、道路にばら撒かれます。そこに群がる人々。その中で、いち早くその価値に気付き、人を押しのけて延べ棒を掻き集め始める少年。大泥棒顔負けの子どもたちの"逞しさ"。こんな子どもの描き方も、むしろ、子どもの本質を突いているような...。お洒落で待ったりした雰囲気の中にも、ピリッとした描写を上手く挟み込んでいます。


"教授"とジョルジア以外のキャラクターの描き方は弱いですが、まぁ、この長さであれば、致し方のないところだったかもしれません。そこを描くために長くしても間延びしてしまったかもしれませんし...。


犯罪、スリル、笑い、裏切り、お色気...といった様々な要素がバランスよく散りばめられ、お洒落な雰囲気の音楽と映像で、コンパクトにスッキリと纏められています。安心して軽く楽しめる作品。観ておいて損はないと思います。



黄金の七人@ぴあ映画生活