クララ・シューマン 愛の協奏曲 [DVD]/マルティナ・ゲデック,パスカル・グレゴリー,マリック・ジディ
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後世に残る名曲を生み出した作曲家、ロベルト・シューマンの妻、クララは、ピアニストとしてヨーロッパ各地で演奏会を開きながら、精神を病む夫を支え、7人の子どもの母として多忙な日々を送っていました。そんな頃、シューマン夫妻の前に、新進作曲家、ヨハネス・ブラームスが現れ...。


監督がブラームス家の末裔だからなのかもしれませんが、「音楽界のタブーに迫る」という謳い文句の割には大人しい感じの作りになっています。


クララが、女性であるが故に、その才能を正当に評価されない場面は、本作中にも描かれますが、実際、女性でなければ、後世に名を遺す偉大な作曲家になっていたとも言われているそうです。父親に「第二のモーツァルト」になるようにと教育され、12歳の頃にはヨーロッパ各地で演奏会を開くようになり、天才少女と評されるようになったクララ。作曲家としても幼い頃から才能を発揮し、モーツァルトやベートーヴェンが同年代の頃にかいたものと比べても遜色ないとまで言われています。それだけの才能が、女性だという理由で正当に評価されず、37歳で作曲を断念。


クララの演奏家、作曲家としての才能やキャリアを断念した経緯などについて、もう少し、丁寧に描かれていれば、もっと、三人の音楽を介した関係性が表現され、単なる恋愛物ではない深みのある物語になったのではないかと思います。さすがに、要所要所で流れる音楽が見事なだけに、勿体ない感じがしました。それぞれの音楽との関わりや、音楽を介しての三人の関わりの描き方が薄く、そのために、それぞれの生き様のようなものが伝わってこなくて、ありふれた不倫物語になってしまった感じがします。


この三人の関係。クララとブラームスの関係についても、ブラームスの生前から不倫関係にあったとか、死後に恋愛関係になったのだとかいう説もあるようです。本作で描かれるように、クララとブラームスの間に肉体的な関係はなかったという説が有力ではあるようですが...。いずれにしても、三人の関係の背景には音楽があり、それぞれの音楽家としての才能を認め合う関係にあったことでしょう。その辺りが、三人の関係に与えていた影響が、もっと丁寧に描かれると興味深い作品になったと思います。


まぁ、あまり期待しないで、大人の恋愛物語として見れば、悪くない作品なのかもしれません。間違いなく、音楽は素晴らしいですし...。レンタルのDVDで、何かをしながら、半分、BGMのように、片手間に観る向きの作品かもしれませんが...。



クララ・シューマン 愛の協奏曲@ぴあ映画生活