ヘブンズ・ドア スタンダード・エディション [DVD]
¥2,670
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28歳の勝人は、勤務先をクビになった挙句、脳の腫瘍が見つかり、余命3日と宣告されてしまいます。病院で、長期間入院していて、あと1カ月しか生きられないといわれている春海と出会い、春海が「海を見たことがない」と言うのを聞き、彼女に海を見せようと思い立ち、病院を抜け出します。その時、偶然、病院の前に止めてあった車を盗み、海に向かう2人ですが、途中で、車の中の拳銃と大金を発見。「死ぬまでにやりたいことリスト」に書いた"夢"を実現させながら海を目指す2人に、警察と怪しげな組織が迫り...。


ボブ・ディランの名曲から生まれた1997年のドイツ映画「ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア」を原案にしています。「ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア」は未見です。


まぁ、突っ込みどころ満載...ですね。春海ちゃん、元気過ぎます。こんなに元気に動き回れる人が、ずっと長い間、病院を出たことないなんて。"誘拐犯"を追ってきたはずの警察が派手にサイレンを鳴らしたパトカーが大挙しておしかけてくるなんて。窓の外でパトカーがピカピカしていても、全然、あわてる気配がないし...。警察もあまりに間が抜けていて...。病院の台所えも、あのレモンの山は何って感じで集中力を削がれてしまいましたし...。


「海を見に行く」きっかけも弱かったと思います。だってねぇ、勝人が、突然「天国云々」なんて言い出すタイプには見えないし...。


「もうすぐ死ぬ」からって、何やっても言い訳ではないし、法を犯すような行動をするなら、それなりの切羽詰った感を出してくれないと、やはり、作品の世界に浸れません。2人とも、あまり、死にそうな感じがしませんし...。勝人は、時々、とってつけたような発作を起こしてはいましたが...。これも、イマイチ。


全体に、人物描写が弱いのだと思います。一人で生きてきて、特に人生の楽しみもない様子で、死に対する恐怖の実感もあまりなさ気な勝人が、「死にたくない」と呟くまでの心の変化。病院の中の世界しか知らずに来た春海が、外の世界に触れた感動。2人の上にのしかかる"死"の重み...。


この"死の重み"という部分が、一番、弱かったかもしれません。だから、切羽詰った迫力に欠け、全体に、軽く薄っぺらな雰囲気になってしまったような...。題材自体は、決して悪くなかったと思うのですが...。


結構、唐突に始まった海への旅。その始まりはともかくとして、いろいろと彼らが進むことを阻む力がかかってきたわけで、それを排除しても先へ進もうとしたのは、それぞれが、この道行きにかけるものがあったからのハズ。その必至な思いというか、切実さというか、その辺りが、今ひとつ伝わってきませんでした。


ただ、春海を演じたは福田麻由子は、周囲の大人たちに勝る存在感を示していて印象的でした。これからが楽しみな人です。



ヘブンズ・ドア@映画生活