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手塚治の同名漫画を映画化した作品。原作は未読です。


タイで日本人の誘拐事件が起きます。タイ警察の大規模な捜査、日本から派遣された刑事、沢木らの活躍もむなしく、結局、被害者親子が殺され、身代金も奪われます。その16年前、ある島の島民が全て死亡する事件が発生しますが、その事実は、政府により闇に葬られます。周到な隠蔽工作により、事件は表に出ないはずでした。ところが、そこを生き延びた少年が2人いました。2人とも本土で成長し、大人になり、その内の1人、結城は銀行員になり、もう1人の賀来は神父になっていました。タイでの事件で、身代金の調達をした結城に疑念を抱いた沢木は、日本で起こった別の事件に関しても結城に疑いを持ち...。


確かに、なかなかのアクションだったけど...。冒頭のカーチェイスとか、それなりの迫力はあったけれど...。玉木宏の悪役も新鮮ではあったけど...。


でもねぇ...。




[以下、ネタバレあり]








一番の難点は、結城の目的が、今ひとつ、伝わってこなかったこと。「MWを世界に売る」っていっても...。今の世の中、他に同類の兵器はいくらでもあるわけで...。それに、MWが、そんなに凄い兵器なら、もっと、厳重に保管されるはずなわけで、こんなに簡単に手に入ってしまうのもどうかと...。


冒頭の事件も、カーチェイスのためだけにあったような...。今ひとつ、あの事件の必然性が感じられません。確かに、あの事件自体は必要だったのでしょうけれど、あそこまで時間を費やしてこだわる必要はなかったですよね...。


そして、結城と賀来の関係の描き方も中途半端だったような...。賀来にとっての命の恩人、そして、賀来を救うために結城はMWの被害を受けた...というのは、そうなんでしょうけれど、もう一歩、踏み込んだドロドロしたものがないと、この二人の"共犯関係"は不自然な感じが...。


被害者から加害者へと変貌する結城。MWにより結城の中に生み出される狂気。その結城の理不尽さを感じながら、止められずにいて、結城を止められない自分に悩む賀来。MWという兵器を生み出してしまった人間社会。この辺りをもっとしっかりと描いて欲しかった気がします。


"善と悪との対決"という部分にしても、善の側が弱すぎて、勝負になっていないという感じ。折角の賀来役の山田孝之の演技が生かされていなくて残念。


石橋凌が印象的。その存在が、本作を多少なりとも救っていたと思います。主役2人の抑えた演技も、それなりに良かったと思いますが...。


DVDのレンタルがTVで十分だったかなぁ...。


原作が連載されたのは、1976年9月から1978年1月とのこと。30年以上も前にこの原作を生み出した手塚治の偉大さを改めて実感します。是非、原作を読んでみたいと思います。






公式HP

http://mw.gyao.jp/



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