いや~~~。面白かったです。最初から最後まで楽しめました。


知る人ぞ知るアイドル、如月ミキの突然の自殺から、一年になり、如月ミキを応援するサイトを運営する"家元"が、そこに熱心に書き込みをするコアなファン4人("オダ・ユージ"、"スネーク"、"安男"、"いちご娘")に声をかけ、一周年追悼会が開かれます。そこに集まった5人は、そこで、初めて顔を合わせたのですが、ミキの思い出話に盛り上がります。やがて、「ミキの死は自殺ではなかった」という発言をきっかけに、喧々諤々の推理が始まります...。


あちこちに伏線が張られているのですが、そこに、無駄がありません。見ていれば、先の展開は予想でき、思いもかけない意外さに驚かされるような場面はあまりありませんでした。けれど、その先を読める度合いが程よく、半歩から一歩先くらいが読める感じで、分かりすぎるつまらなさは感じずに済みました。そして、本作の場合、先を見越せることで、それで却って笑えましたし、あちらこちらに小技が効いていて飽きません。むしろ、展開に意外性を出すために無理をして、捻じ曲がった理屈付けをするより、先が読めても張った伏線をきちんと纏めていくやり方には好感が持てました。


一つには、間違いなく、出演陣の演技力、そして、脚本、演出の上手さ。


出演陣では、それぞれが持ち味を出していたと思います。ミキと他の4人の関係を知るにつれ複雑に変化する心情を上手く表現した小栗旬、ハンドルネームの"オダ・ユージ"とそれにまつわる小技が笑えたユースケ・サンタマリア、いかにも演じているという感じが見えるわざとらしさが却ってキャラクターの味を出していた小出恵介、さすがに芸人で笑わせてくれた塚地武雄、そして、何といっても、気持ちの悪い怪しいおじさんの雰囲気を漂わせながら琴線に触れる香川照之が出色。


テンポが良く、狭い部屋の中だけで繰り広げられる密室劇ですが、中だるみもせず、飽きることもなく、最後まで魅せられました。


ただ、ラストは、蛇足だったような...。「キサラギ・2」製作のための布石だったのかもしれませんが、ラストの部分がなかった方が、すっきりと見終えることができたような気がします。「キサラギ・2」は誰がミキを物置から出られなくしたかの謎解き?そして、最後に登場した宍戸「錠」の手にあったものがその「キー」?ってところでしょうか?う~~~んっ...。やめておいた方が良かったのではないかなぁ...。


元々の期待値が高くなかったということもあるのかもしれませんが、今年のこれまでの邦画の中ではベストかもしれないと思える一本でした。(そう言えば、チラシには、「サスペンス」と書かれているのですが...そうかなぁ...)




公式HP

http://www.kisaragi-movie.com/



キサラギ@映画生活