サヨナラCOLOR

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大人の純愛物語。海岸に打ち寄せる波、砂浜に落ちているガラスの破片、浜を吹く風...そんな情景が物語の雰囲気をしっとりと深いものに仕上げています。


竹中直人扮する医師、佐々木正平は、高校時代、片思いをしていた相手、そして、高校卒業後も20年以上想い続けてきた相手、原田知世演じる未知子の主治医となります。


看護師へのセクハラは日常茶飯事、女子校生とは援助交際...、正平は、かなり、いい加減な生活ぶりを見せています。(情けなさ満点で笑わせられるバレエの場面などは秀逸でした。)


そんな正平が、恋する男として、真剣勝負に出ます。未知子の病気は子宮癌。病院に来たときにはすでにかなり病状が進行していて、手術も難しい状態となっていました。正平は、未知子を救うことに人生をかけることになります。


高校で同級生だった正平のことをなかなか思い出せない未知子。その未知子に、高校時代のことを語りかけ、何とか自分のことを思い出させようとする正平。高校時代の出来事を辿りながら、二人の間には新しい関係が築かれていきます。


ラストが近くなり、徐々に正平自身が抱える状況が示され、正平が未知子の病気に対して挑み続ける気持ちを支えたものの一つが明らかになっていきます。


青春時代の想いを大人になってからもずっと持ち続ける、というのは、なかなかないことかもしれません。でも、ふと、ずっと昔になってしまった青春時代を振り返るとき、「あの気持ちを成就させることができていたら今の自分はどうなっていたのだろう」という思いが湧き上がってくることもあるものです。多くの人の心の片隅に埋もれていそうな、そんなファンタジーが丁寧に描かれていて、しんみりとさせられました。



[以下、ネタバレあり]








最後、正平は癌で亡くなります。もう手を尽くせぬほどに進行していた癌。正平は未知子へ命を繋ぎ、その人生を終えます。そして、未知子は、ずっと付き合ってきた浮気者の男、鈴木と別れ、自分の人生を歩んでいく決意を固めます。正平から受け渡された命が、確実に未知子に新しい人生をもたらしたのだと実感できるラストでした。


ところどころ笑わされながら、最後には泣かされました。映像が綺麗で心に染みるような作品でした。




公式HP

http://www.zaziefilms.com/sayonara-color/



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