JTリロイの自伝的小説を映画化したとのこと。


映画のストーリーが、フィクションではなく、実際にあった出来事だというのが痛々しかったです。里親の元で平和に生活していた少年が、突然、実母に連れて行かれ、娼婦をしている実母との悲惨な生活。酒、タバコ、ドラッグ、行きずりの男達。その中で、徐々に壊れていく母親...。


主人公の少年が、やがて成長し人気作家になっていることを知っているから、それでも、どこかで安心できる部分があったのですが、それがなかったら、かなり辛いものがあっただろうと思います。

 

「愛のためにとった行動を誰も非難することはできない」というJRリロイの言葉がパンフに書かれていますが、本当にこれが「愛」なのかという疑問は残りました。ただ、こんなに悲惨な状態の中で幼少期を過ごしても、それなりにちゃんと大人になれる可能性があるのだとしたら、それはそれで「人間の素晴らしさ」と言えるのかもしれません。


作品、全体の構成としては、ちょっとまとまりなく、バラバラな印象を受けました。もう少し、脚本や演出に工夫があれば、もっと面白く仕上がった、かも...。



公式HP

http://www.sara-inori.jp



サラ、いつわりの祈り@映画生活