コメントを頂きました。

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こんにちは
人工股関節置換術で手術前日に入院して術後1週間で退院でした。
私はとても退院できる状態ではないと自覚していましたが
1日40人程の手術があり、どんどん患者が入れ替わってベッドも空きがないので予定変更は出来ないと思いました。
納得しました。

 

 

コメントありがとうございます。

 

この20年で、明らかに入院期間は短くなりましたね。

 

私が研修医の時は、大学病院でも、

整形外科病棟に1年以上入院している患者さんが、3名くらいいました。

 

 

「アメリカでは・・・」

「諸外国では・・・」

という枕詞が頻繁に用いられ、

 

「日本は入院期間が長すぎる」

「日本はベッド数が多いから減らさないと」

みたいな意見や、

 

「当院では〇日で退院できます。」

みたいな、病院ホームページの宣伝があふれています。

 

 

最近、若い先生が、下肢の骨折の手術の説明で、

「1泊で大丈夫です。」

「痛みが強ければ2泊でもいいですよ。」

みたいなことを言っているのを聞いたとき、

「自分の時代と全然違うな~。」

「短期の入院が当然と思っているんだろうなあ。」

と、ちょっと驚きました。

 

私なら、

「心配だから、せめて抜糸までは(傷が治るまでは)入院して欲しい。」

と思うし、

「家で生活できるのかな?」

「できればリハビリをしてから帰って欲しい。」

と思うので・・・。

 

病院にとって、

「入院が短いほど収益が高く、入院期間が長いと赤字になる」

というシステムはかなり浸透していますが、結局は国の誘導です。

 

上述の若い医師が、この感覚なのは、今の教育のされ方が反映されているのでしょう。

 

将来、本当に「アメリカ的」になるんでしょうか?

 

 

5年ほど前の、とある先生の、アメリカの病院(年間の人工股関節術件数300件程度)の留学体験では、

 

①    入院期間は2日間。(手術当日に入院して翌日に退院。)

②    退院後1週間は、リハビリ担当者が自宅(ホテル)に来てリハビリ。

③    その後、4~6週程度:週に1,2日、リハビリ施設に通院。

 

みたいな感じと聞きました。

(もちろん、アメリカの全部の病院ではないと思います。)

 

「アメリカでは2、3日で退院」

と、よく言いますが、都合の良いところだけ切り取って、

②③については触れられません。

 

入院費用の支払いが高額すぎて(数百万円!)、早く退院せざるを得ないだけです。

 

(総額300万円前後、1泊するだけで30万円前後、これに手術代や麻酔代などが加わる、と聞いたことがあります。)

(アメリカは日本と違い、皆保険制度ではありません・・・。)

 

基本的にリハビリ通院がない日本の方が、よっぽど凄い気がしますが・・・。

 

ただし、国が短期入院を進めていくのは間違いないと思います。

(医療費がひっ迫しているので・・・。)

 

本当に日本は、お金がない国になってしまいましたね・・。