人食い熊の駆除
みなさま、お元気ですか。
北海道福島町で2025年7月、新聞配達員の男性を襲い死亡させたクマが駆除されました。
これに対して、北海道庁に「クマがかわいそう」などと抗議の電話やメールが相次いでいます。1人の電話が2時間以上続くケースもあり、鈴木直道知事は「これでは仕事にならない」と述べています。もしも言いたいことがあるならば、私のように、論理的な文章にして、ブログで発信すればいいのではないでしょうか。
今回の熊の駆除に関しては、土地の事情やクマの習性を知らず、「かわいいくまさんを守れ」という意識だけで抗議電話やメールという形で行動している都会の人が多いようです。
この人たちは、熊がかわいそうだといって泣きますが、熊に襲われて死亡した男性に関しては興味がなく、同じ熊に数年前に食い殺された高齢の女性に弔意を示すこともありません。その遺族の悲しみになど思いは及びません。熊があるきまわる土地の住民の恐怖にも関心がありません。自分は安全な都会で暮らしているので、熊の恐ろしさを知らず、熊の保護活動に手を貸すこともせず、暇なのでどうも思い付きで、匿名のまま電話をしているらしいです。
熊は、一度人間の味を覚えると、繰り返し人間を襲います。今回の熊がいい例です。自然に返すことは不可能です。
抗議の電話をしてくる人は、自分だけが正しいと思い、何度も自分の言うとおりにしろということで、圧力をかけてくるわけですが、しっかり情報を調べて、自分の中でどうすべきかしっかり議論をして結論を導くところまでやっていないのです。また今後どうしたら、熊との共生が図られるかを考えようともしていないのです。
こうした人たちは、要するに他人を支配したいと思っているだけなのです。
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「殺すのはかわいそう」「山に帰せ」ヒグマ駆除めぐり苦情や批判殺到 2時間以上の電話も…北海道 7/26(土) 7:06配信 STVニュース北海道
北海道福島町で2025年7月、新聞配達員の男性を襲い死亡させたクマが駆除されたことをめぐり、鈴木知事は25日、道に対し苦情や批判の連絡が相次いでいることを明らかにしました。
福島町では7月12日に新聞配達員の男性がクマに襲われて死亡し、その後、クマはハンターによって駆除されました。
鈴木知事は25日の会見で、クマの駆除をめぐって「殺さないでほしい」や「山に帰せ」、「殺すのはかわいそうだからやめてほしい」など、道のヒグマ対策室に対し、全国から苦情や批判が相次いでいることを明らかにしました。
中には、2時間以上におよぶ電話もあり、男性が襲われた7月12日から24日までの間に寄せられた電話やメールなどは、計約120件に上っているということです。
(鈴木知事)「特に道外の人から連絡をもらっている。人身事故防止のために適正に行われた捕獲は、地域の皆様の安全な生活を守るために必要なこと。ハンターも命を懸けて捕獲に従事している。人が亡くなっていること、命の危険を持ちながらもハンターが捕獲していただいていることを、どうか理解していただきたい」
鈴木知事は、職員の業務にも支障が出るとして、ヒグマの捕獲に理解を呼びかけました。
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襲撃ヒグマ駆除に抗議殺到 道知事「これでは仕事にならぬ」
7/25(金) 20:25配信 共同通信
記者会見する北海道の鈴木直道知事。福島町で男性を襲ったヒグマの駆除を巡り、理解を求めた=25日午後、北海道庁
北海道福島町でヒグマが新聞配達員の男性を襲って死なせ、後に駆除されたことを巡り、北海道庁に「クマがかわいそう」などと抗議の電話やメールが相次いでいることが25日、道庁への取材で分かった。1人の電話が2時間以上続くケースもあるという。鈴木直道知事は同日の記者会見で駆除の必要性を強調し「これでは仕事にならない」と苦言を呈した。
道によると、男性が襲われた12日から24日までの間に計120件の意見が寄せられた。18日にクマが駆除されて以降は「クマにも命がある」「(殺さずに)山に返すべきだ」といった苦情が増加しているという。
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「4年前ヒグマに襲われた被害者は『上半身』が見つかってないんだ!」ヒグマ駆除の「抗議電話」に北海道民が激怒 2025/07/23 まいどなニュース
新聞配達中の男性がヒグマに襲われ死亡した北海道福島町で、7月18日未明にヒグマ1頭が駆除された。
駆除されたオスのヒグマのDNAを調べた結果、福島町三岳で被害に遭った男性の遺体から採取されたものと一致。また、4年前に福島町白符で高齢女性を殺傷した個体と同一であることも判明した。
福島町役場にはこの「ヒグマ駆除」に対する苦情電話が相次いでいるという。
これに対して、北海道民から怒りの声がX(旧Twitter)に投稿された。
被害者の遺族の無念、考えたことある?
「言っとくけどなあ、4年前に殺されたおばあさん、上半身見つかってないんだぞ!もし…もしそれが自分の家族でその羆(ヒグマ)の犠牲になってたら…と思うと、仇(カタキ)をうってくれてありがとうって思うよ。抗議するやつにムカついて今日は心がザワつくわ!役場の皆さんの代わりに電話に出たいくらいだよ」
クマは「生きたまま」喰い殺す
獲物を仕留めた後に捕食するライオンやトラなどと異なり、クマは獲物を生きたまま喰い殺すという。
19歳のロシア人女性が生きたままヒグマに喰われ、想像を絶する恐怖と痛みと最後の言葉を携帯電話で母親に伝えた「ペトロパブロフスク熊事件」(2011年)が有名だ。
ヒグマ駆除に抗議電話をかける人たちの大半が、こういったクマの恐ろしさや、被害者や遺族の無念を理解していないのではないか、と投稿者は訴える。
抗議する人は自分でヒグマに麻酔を撃ち、捕獲して飼育してくれますか?
「福島町外からたくさんの抗議電話があったと知りました。北海道民はヒグマの恐ろしさを熟知しており、自治体も出来る限り費用などをかけて懸命に対策しています。そういった地元の努力やヒグマの恐怖を知らない人が安全な場所から抗議したのであれば、被害者家族や不安を抱えて暮らす地域住民に対するひどい侮辱だと思います。
クマを可哀想だと思う気持ちも理解出来ないわけではありません。クマより人間が偉いとも思いません。山菜採り等で安易にクマのテリトリーに入って襲われたら…自業自得かもしれません。ですが、今回の被害男性は住宅街での新聞配達中であり、女性は自宅の畑で作業していただけです。人間社会では殺人を犯せば刑務所行きで、最悪死刑です。でも人を殺めたクマは野放しですか?誰が麻酔を撃って捕獲するんですか?抗議した人が捕獲したクマを自費で輸送して自宅で飼育してくれますか?責任を負えないなら黙っててほしい、というのが住民の気持ちだと思います」(投稿者)
今回駆除されたヒグマによる2件の死亡事故が発生した「北海道福島町」。
札幌市も全体の2/3が「山や森」
投稿者は北海道在住のバスガイド。2名の被害者が出た福島町には仕事で何度も訪れており、また、同町に住む甥から、当該ヒグマが駆除されるまでの間、「獣臭がする」「仕事が終わって帰宅したが車から降りられない。玄関まで行くのが怖い」といった連絡を深夜に何度も受けていたそうだ。
「太陽光発電がクマの住処を奪ったと訴える方もいますが、地図を見れば、北海道最大都市である札幌市ですら3分の2が山と森です。事件があった福島町などは山や森の方が圧倒的に多いです。
もちろん、北海道でも猛暑や災害などの影響で、山に住むクマや鹿やキツネの食料が少ない時もあります。そうすると、人間が作った畑の作物を鹿などが食べに来る、その鹿を追いかけてヒグマが来る、その時に鹿よりも足が遅くて弱く、容易に捕まえられる人間がいたら…考えるだけで恐ろしいです」(投稿者)
新聞配達中の男性がヒグマの被害で死亡した「福島町三岳」(右上)と、駆除されたヒグマが4年前にも女性を殺傷した「福島町白符」(左上)。地図を見ると、住宅街はかなり狭く、福島町地域の大半が緑色(山林)であることがわかる。
クマにとって人間は「足が遅くて襲いやすい、毛のない柔らかい獲物」
以前取材をした猟師の方の証言によると、クマは自分のものと認識した獲物や場所に強い執着を持つため、何度も同じ場所に現れるという。
また、人間を襲った経験を持つクマは、人間を「襲いやすく毛のない柔らかい獲物」と認識し、執拗に襲うため、必ず駆除する必要があるそうだ。
こういったクマの習性やクマ被害の凄惨さを知らない人は、1915年に北海道苫前郡苫前村三毛別(現在の苫前町三渓)で起きた「三毛別ヒグマ事件」のウィキペディア記事などを読んでみてほしい、と投稿者は訴える。
愚かな「承認欲求」で命を粗末しないで
「クマの事件はたくさんあります。『三毛別羆事件』だけでも知れば、一方的な抗議など出来ないはずです。仕事柄、受け持つお客様には、野生動物にエサを与えない、ゴミを放置しないことなどの大切さを直接お話しています。大半の方がマナーを守って観光してくださいますが、その土地のルールを知ろうともせず、あちこちに食べかす等のゴミを捨てるインバウンド客も増えています。
また、ヒグマを駆除する前の福島町で、警察や消防が警戒する中、深夜にTikTokか何かのライブ配信をしていた人物がいたと、福島町に住む甥から聞きました。道路に出て来たヒグマから逃げもせず、スマホなどで撮影する観光客の姿もよく見ます。ヒグマの全速力は時速60キロだそうです。向かって来たらあっという間です。愚かな承認欲求のために命を粗末にしないでほしいです」(投稿者)
「形成外科が関わる顔面外傷の中でも最悪の類」と言われる「熊外傷」。最も多いのがグレー部分「中顔面」の損傷なのだそう。
たとえ命が助かっても…辛い人生が待ち受ける「熊外傷」
「形成外科が関わる顔面外傷の中でも最悪の類」と言われている「熊外傷」。
多くの熊外傷を治療する形成外科医によると、クマは人間の頭部や顔面を鋭い爪や牙で執拗に攻撃するため、頭部や顔面の骨や皮膚、神経が激しく損傷し、失明する場合も多いという。
例え命が助かったとしても、以前と同じ社会生活を送ることは難しいそうだ。
今回の投稿に対して、ヒグマの恐ろしさや「熊外傷」の深刻さを知る多くの方々から共感や憤りの声が寄せられた。
【以下、今回の投稿に対して寄せられたコメント】
いじめ事件で加害者を優先擁護するやつらと同じ思考
「小さな自治体に抗議電話が殺到するの、普通に考えて威力業務妨害だよね」
「マジで駆除に文句言ってるやつら、熊なんじゃないかと思う。熊の気持ちは想像できても、殺された方やその遺族、怪我をさせられた人、四六時中熊に怯えて生活しなければいけない人たちの気持ちは想像できないのか?」
「人を襲って死なせたヒグマを駆除するのはかわいそうだけど、バカげた電話の対応で通常業務に支障が出てる役場職員の方々のことはかわいそうとは思わないんだからね」
「熊駆除にわざわざクレーム入れる人たちはさ、イジメ事件で、被害者よりも加害者を優先擁護するやつらと同じ思考よな」
「実家が札幌です。母には、目と鼻の先にあるゴミ捨て場に行く時も気をつけてと言っています。安全な所からヒグマの恐ろしさも知らないくせに口出してくんな!」
「すべからく悪質なクレーマーは相手するだけ時間の無駄。(抗議電話は)ガチャン!が最善策」
可哀想なら自費で「ヒグマ」を引き取りに来い
「被害女性のご遺体も茂みの中から発見されたんだよね」
「ヒグマに横っ面ビンタされたら頭が消し飛ぶって知らないんだな」
「抗議したやつは旅行中に1人で熊に喰われれば良いよー。最後に本人も何が正しいか気づくでしょ」
「人間の味を覚えた熊は人をエサと捉えるそうですね。熊避けの鈴の音も、エサを食べるために近づいてくるそうだ」
「役場じゃなく、太陽光パネル事業を推し進めてるところに電話入れたら?」
「動物の居場所奪ってるとか、どこに住んでようが言えることであって、人間がこの世から消えない限り抗議してるやつらも同罪なんだよね」
「『羆嵐』を読んだ方がいいな」
「熊駆除に関して苦情言うやつは、三毛別ヒグマ事件とその目撃者でマタギになった大川春義氏、福岡大ワンゲルヒグマ事件のwiki読んでこい。あと可哀想だと思うならちゃんと熊を引き取りに来いよ」
関連する記事です。下にリンクを貼ります。↓
相手を支配しようとする者 | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE
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そして皆様に、すばらしい幸運や喜びがやってきますように。
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