アインシュタインの言葉 | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

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作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  アインシュタインの言葉

 

 たどってきた道は原則として間違いのないものであり、後日人々は、一般相対論の考えが目下遭遇している大きな抵抗のことを不思議に思うだろう。

                        アインシュタイン

 

 アインシュタインが1915年に述べた言葉。アインシュタインは、一般相対性理論を発表したが、ほとんど理解されなかった。論文は多くの反対意見が出て、アインシュタインはとても苦労した。

 今では、相対性理論は物理学、宇宙論や量子論をはじめ、すべての考え方の基礎になっており、それを批判しても仕方のない話となっている。例えば万有引力でリンゴが下へ落ちることを疑う人はいないのと同じである。

 アインシュタインは優れすぎていて、予言者のようであり、それゆえにほとんど理解されることがなかった。しかし彼が時代を切り開いたのである。

 理論を生み出したとき、アインシュタインは孤独であった。他の人々がその理論の意味を理解するためにはかなりの時間がかかった。しかし彼は、自分を信じ続けていた。彼は生涯、自分の孤独を肯定し続けている。

 小説も同じであり、優れた小説は大きな抵抗や反発に出会うものである。しかし執筆時にたどってきた道が原則として間違いのないものであるなら、作家は自分を信じて書き続けるべきである。予言者は孤独である。しかし、後日、小説の価値を認める意見が主流となるかもしれないのである。

 私の小説「瀧と白鳥」も、そういう小説となる可能性があると思う。私も宇宙論を考えながら、小説を書いている。こういうと作品を読まないのにあざ笑う群衆がいる。別にかまわないと思う。私は群衆には媚びない。

 

   

 

   皆様のご健康をお祈りいたします。

   そして皆様に、すばらしい幸運や喜びがやってきますように。

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