あらすじ
1969年、アメリカ。ケネディ大統領が宣言した〈人類初の月面着陸を成功させるアポロ計画〉から8年――。未だ失敗続きのNASAに対し、国民の関心は薄れ、予算は膨らむ一方。この最悪な状況を打破するため 政府関係者のモー(ウディ・ハレルソン)を通してNASAに雇われたのはニューヨークで働くPRマーケティングのプロ、ケリー(スカーレット・ヨハンソン)。
アポロ計画を全世界にアピールするためなら手段を選ばないケリーは、宇宙飛行士たちを「ビートルズ以上に有名にする!」と意気込み、スタッフにそっくりな役者たちをテレビやメディアに登場させ、“偽”のイメージ戦略を仕掛けていく!
そんな彼女に対し、実直で真面目なNASAの発射責任者コール(チャニング・テイタム)は反発するが、ケリーの大胆で見事なPR作戦により、月面着陸は全世界注目のトレンドに!
そんな時、モーからケリーにある衝撃的なミッションが告げられる――!
感想
1969年アポロ11号による月面着陸を成功に導くために、NASAでPRを担当することになったケリーが、全世界から注目を集めるために手段を選ばずに奔走し、ある極秘プロジェクトに関わっていくというお話。
コメディタッチでありながら、実際のロケット発射時映像などを織り込むことで、フィクションでありながら説得力のある物語として成立させることに成功していて、後味も含めて大変良かったです。
ここから先、ネタバレを含む感想となります。
前半の人物設定、広報の立場と打ち上げ責任者との立場の違いを見せつつ、時代背景を織り込む流れは丁寧ですが、少し凡庸に感じる部分がありましたが、後半の月面着陸の生中継の失敗に備えて、地上で撮影したフェイク映像をどのように処理すべきかに奔走する部分は、古くから言われる陰謀論を逆手に取った虚実入り交じった良質なシナリオ運びになっていて、見応えがありました。
主人公ケリーの人生における嘘の積み重ねの延長線上にある仕事と実際に月面着陸成功のために尽くす姿勢を恋愛と織り交ぜて表現される美しさがあり、映画の映像と実際の映像とのリンクに対して、どう決着させるのかという点においても、充分楽しめました。
ここまで後半が面白いなら、謎の上司モー役のウディ・ハレルソンの出番をもっと多くして、物語をかき回せれば、より面白さが増したようにも感じましたし、後半の仕掛けをもっと早めに持ってきて、フェイク月面撮影までのプロセスを多くしても良かったように感じました。
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