タミヤ1/25 T34用走行履帯の作成
先日、
タミヤの1/25 T34用の可動履帯が作れないかと問い合わせをいただきました。
タミヤの1/25のT34キットといえば、元はモーターライズ時代のモノで、キットの履帯も連結可動式なんですが、なにせ古いキットで履帯の形状(見た目)がT34ポクないのでと(笑)
T34の履帯自体は、以前1/35で自作してるので、その3Dデータを拡大して、接続用の真鍮線の穴を開けなおせばすぐに出来るのでと....
そういえば、昔作ったタミヤの1/25のSU100がどこかにあったっけ???
と、倉庫の奥から20年以上前の完成品を引っ張り出してきました。
で、
今更気が付きましたが、タミヤの1/25のT34て、前輪駆動なんですww
なので、起動輪は前輪で、本来の後輪起動輪よりもずいぶん小さいです。
で、
現物(起動輪)合わせで、サイズを測りなおしたところ、履帯の幅は1/25スケールのサイズに近いのですが、T34履帯の特徴の大きなセンターガイドはサイズを小さくしないと収まりませんでした。
写真の下が1/35用の元の設計で、上がタミヤの1/25ように拡大したものです。
ただし、センターガイドだけは別に作り直してます。
さらに、造形をDMMに発注するために、1両分の140コマをつなげたデータを作って、DMMにアップし、
1/35と同じ、アクリル素材で価格を調べたら....
なんと
一台当たりの造形料金が、14000円をこえますたww
そういえば、昔作った、1/35のマウスの履帯もこれくらいしたなぁと(笑)
アクリル素材は、非常に高精密なんですが、大きくなればなるほど価格が跳ね上がって....
いくら何でも、これは高すぎかと...
でもせっかく、設計したので、履かせてみたいし...
で、
半分の片側分を造形しました(笑)
完成品(片側分)がこれ、
ランナーで繋がってますが、例によって、指でプチプチと折るように外せます。
接続は、0.5mmの真鍮線を差し込んで、外側の出口の穴が縮まっているので、1mmほど押し込むだけという1/35同様の簡易仕様です。
写真左の突起のあるほうが車体の外側で、真鍮線は突起のないほうから差し込みます。
とりあえず、片側分でテスト走行して問題ないことは確認できましたが....
やはり14,000円は高いなぁ...
で、
このサイズの履帯なら、安いナイロン素材で造形できないかといろいろテストしてみました。
DMMのナイロン素材は、幅が0.8mm以上必要で、0.8mm以下の箇所は まともに造形されません。
履帯のモールドは、そのままでは造形できないので、片っ端から太らせて設計しなおし、
こんな感じに
写真の一番下がアクリル素材で、真ん中がナイロン素材用にモールドを太くした設計です。
(一番上は、自分の3Dプリンターで造形するためのABS素材用)
履帯の左右の端の縦のモールド幅は2倍以上になってます(笑)
これで、履帯のカタチと格子のモールドは造形できそうですが、
問題は、連結用の真鍮線を通す穴(の周りの幅)なんですが...
ここの幅を0.8mm取ると連結部分が一気に太って、キット付属の履帯と同じような形になってしまうので...
線を通す円柱の幅(厚み)を0.6mmと規定外のサイズにしました。
で、
これも片側分の70コマだけ繋いで、安いナイロン素材で造形してみました。
価格は、2000円(片側)と、アクリルと比べてずいぶん安くはなりました(笑)
DMMにデータを送って素材を選んで注文すると、その素材では造形できない箇所があると、メールで連絡が来ます。
やはり、「0.8mm以下の箇所があるので破損するかもしれないけど、どうしますか?」と、メールが来ましたw
破損してもいいから造形してくださいと、そのメールに返信します。(返信しないとキャンセル扱いになります!)
で、
出来てきたのがこれ
設計上は、ランナーで繋いでありましたが、送られてきたものは、ほとんどランナーから外れていました。
さらに、真鍮線を通す穴は、サポート材で埋まっていて、写真のように0.7mmくらいのピンバイスで通しなおさないと(中のサポート材を取り除かないと)繋げませんでした。
ただ、線を通す円柱部分の幅は、規格より小さかったのですが、なんとか造形されていて、穴さえ開けなおせば繋いで走行させても問題ありませんでした。
で、実際に繋いで比べた写真がこれ
左から、
アクリル素材 片側14,000円
ナイロン素材 片側 2,000円
うちの3Dプリンター出力 (ABS 13g 30円?)
キットの履帯
履帯の厚みは、、
アクリルもナイロンも厚みはそれほど変わりません。
ただ、ナイロン素材の履帯を繋いでいくときには、アクリルのように押し込むだけとはいきませんから、繋いだ線が抜けないように瞬間接着剤で止めていかないといけません。
今回わたしがやったつなぎ方は、
片側を若干L字に曲げて、そこに瞬間接着剤を付けて抜け止めにしました。
L字に曲げておけば、片方向からは抜けないし、瞬間接着剤も付けやすいからと...
もちろん、車両に履かせるときは、L字のほうが目立たない車両側にします。
ナイロン素材は、
アクリルに比べて、繋ぐのが面倒ですが.....なにせ価格が安いのが魅力ですw
ナイロン素材といっても、表面はざらざらしていて、タミヤのアクリル塗料をダイレクトにエアブラシで吹き付けても塗装は可能で、落ちにくいです。
真鍮線は、ナイロンも、アクリルも、0.5mmを使ってます。
一応、それぞれ履かせてテスト走行しましたが、履帯が軽くて蝶番部分の動きも良いので、キットの履帯で動かしたときよりスムーズです(笑)
アクリルの高い履帯w
ナイロンの履帯↓
キットの履帯↓
うちの3Dプリンターで作った履帯
一応、
アクリル用とナイロン用の2パターンのデータをDMMにアップして、だれでも注文できるように設定しておきます。
DMMの注文設定が完了したら、またブログに記載します。
追伸、
DMMより注文可能になりました。
DMMの「ひのきの模型工房」はこちらです。
ナイロンは、片側分 2090円(税込み)
アクリルは、片側分 7480円(税込み)
です。
アクリル履帯は、接続線のストッパー部分を広げて、1mmくらい差し込めるように変更しました。
(当初は0.5mm)
接続に使う真鍮線は、手芸用に売られている安く丸まったモノでも使えるのですが、安物の中には0.5mmといいながら、実際には0.47mm程度の細いものも存在しますので、ご注意ください(アクリル履帯に使うと抜けやすいかもw)...まぁ安いので、テスト用によく使ってますけど(笑)
テトラのホビー用の真鍮線(直線タイプ)は割と正確なので、アクリル履帯に使うには良いと思います。