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来月は超大御所ヘヴィメタルバンドIron Maidenが両国技館でライブ予定です。

Iron Maidenは2011年に来日公演を行う予定でした。3.11にて悲しくも中止になってしまったのです(まあ当たり前ですが)。延期ではないので振り替え公演もありませんでした。

それが原因か、かなり早い段階でアリーナがソールドアウト。私は辛うじてアリーナじゃないチケットをゲット。

今回の来日はチケット代がかなり高く(アリーナが17000円!)、一瞬躊躇しました。熱狂的なファンの方は値段なんて気にしないです。私は熱狂の一歩(二歩?)手前位のユルいファンなんで、そんなに近くで見れなくていいかな。

そして盛り上がる来日公演への期待とは裏腹に全く話題にならない魂のボーカリストの新譜が今月リリースされたのです。



Metal King Blaze Bayley(ブレイズ・ベイリー)の新作『Infinite Entanglement』が四年ぶり(確か)にリリースされました。

もう泣けるほど、話題にならない。

ブレイズ・ベイリーとは、前作にて自らを王と名乗ったメタルキングです。Judas Priestがメタルゴッドと名乗ったように。ゴッドよりはキングのほうが謙虚でしょ。ちなみにこのブログ以外で彼はメタルキングとは呼ばれないと思うので、注意が必要です。

彼は前述したIron Maidenの元ボーカル。
この文章を作っている段階では某B!誌はまだ発売されていませんから、どんな評価になるもんか…。きっと輸入版に小さく載っているだけだと思います。メタルキング ブレイズは某B!誌に良く思われていないところがあります。不遇の存在です。

このタイミングでのリリースはまさかIron Maidenの前座でブレイズが来日する布石なのか!?なんて勝手に夢見ていましたが、そんなはずもないと…。


3月18日発売らしいです。
正直、日本盤が出るまで待ちたい…。
ボートラ付くかもしれないし。

でも、多分…いや、絶対出ない…(涙)

Amazonにて購入。
Amazonでは25日発売になっており、届いたのが26日。仕事がとても早いです。

ところが公式ホームページにダウンロード販売は3月1日リリースって書いてあるじゃありませんか…。パッケージ盤より2週間以上早いだと!?ふざけんな!そんなことしたらパッケージ盤が出る前に全部Youtubeに上がっちゃいますよ!?

でもやっぱり原盤のCDがほしい…。
若いリスナーと違い古いリスナーは棚に並べたい人が多いはず。ワタクシのような老齢ヘビーメタラーはCDで(形で)ほしくなってしまうのです。時代の形に合わせて生きていけない化石生命体…。

泣く泣く待つことにしました。

両方買う?
んなアホな。
複数買い大反対派ですから。
貧乏人ですから。

日本で何人くらいの人がこの新作を買ったんだろ。ネットを見ると昔は結構ファンの方が居たようです。今では更新もされていないブログやHPもチラホラ。Amazonではもうすでに1件の書き込みがされていましたよ!やったぜブレイズ、さすがはブレイズ!

さて、早速見て行きましょう。

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コンセプトは分かりませんが、あんまりカッコよくないジャケット…。インギーみたいにデカデカと自分の写真載せたりしちゃえばいいのに。前作『King of Metal』のジャケットなんて色んな意味で最高にイカしていた。

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VOCAL : BLAZE BAYLEY
GUITAR: CHRIS APPLETON
BASS : KARL SCHRAMM
DRUM : MARTIN MCNEE

ブレイズは相変わらず目力半端ないです。バンドのメンバーはまた替わっています。彼のソロなので別に問題はありません。むしろメロディメイカーを変えることでマンネリを回避出来るという利点もあります。今回ギタリスト1人。アルバムではオーバーダビングしているはずなので特に問題無いでしょう。

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なんかボソボソと語りしているスタッフの方がいるようです。なんなんでしょね、これ。ひょっとしてコンセプトアルバム?…っぽいですね。事前情報もライナーノーツもないので気付きませんでした。日本語訳された歌詞ですらいつも読まないのに、英語歌詞なんてもってのほかです。気にしないことにします。

買ったばかりですが、もう20回くらい頭から通して聴いたのでファーストインプレッションということで。また変わったら追記します。


【レビュー、もどき】

1.Infinite Entanglement
なんか女の人がブツブツしゃべってます。スネア打ちなのかブラストビートなのかよくわからん。メイデンみたいなフレーズがたまに出ます。割とメロディアスなソロが。薄っすらとコーラスと本人の声が重ねられていて何か演出に工夫が見られます。以前のようなシンプルなメタルからちょっとだけこじゃれた方向へ探り探り一歩進んでみた感じ。

2.A Thousand Years
うおっと!カッコいいリフ出てきた。ブレイズ、こういう歌唱が出来るようになったんですねぇ(しみじみ)。昔の彼じゃ歌えないようなメロディライン。リフと同じサビメロがまた美味しい。流麗ツインギターソロの導入部分からマシンガンピッキングソロが自己満で終わってないのも見事。余韻もなくアッサリ終わります。

3.Human
リーダートラックとして推されている感じの曲。公式ホームページにこの曲のライブ動画がありました。当然、アルバム買うまでは見ないように努力しました。ライブで盛り上がりそうな裏打ち疾走。ソロがいい。でもなんかもう少し続きがありそうなところで終わっちゃう。

4.What Will Come
この曲を共作している人、確か前作でメインギター担当していた人です。前作を聴いてこの人は典型的なメタルギタリストではないのかなと感じていましたが、こういうアコースティックギタープレイが本職なのか?ヴァイオリンも入ってます。シンフォニック的ではなく、あくまで味付けの一つに留めてあります。ブレイズがThis is my life~と朗々と歌う。中間部でリズムが上がり、ブレイズもヲーヲーヲーと応じます。ヴァイオリンソロがいいな~。こんな曲をブレイズの作品で聴けるとは。もう一回ゆったりとするかなと思ったけど、速いまま終了。

5.Stars Are Burning
4曲目との落差に一瞬と惑うミドルヘヴィチューン。かなり印象に残る哀愁のサビメロがちょっと意外。あんまり今までのブレイズに無かったメロディな気がして新鮮です。これもちょっと短いけど良いソロ。

6.Solar Wind
別名「Good Luck」ギターが暴れてスタート。これも哀愁の歌メロいいなぁ。ブレイズの作るメロディラインは確実に昔よりレベルが上がったと思う。このソロも良い。あらまぁ。ブレイズやっぱり曲作りのパートナーはちゃんと選定しますね。

7.The Dreams Of William Black
コンセプトアルバムの繋ぎ。別名「Where are you」。音楽的にも一応粘っこいギターがなってますが、まあ、繋ぎのトラックです。

8.Calling You Home
サビメロがちょっと良かった。ヲ~ヲ~ヲ~に幽霊みたいなコーラスが付いてて少し笑った。間奏で裏打ち疾走に。Calling Calling。

9.Dark Energy 256
やっぱりこういうリフに弱い、私。ソロがまた弾きまくってる。でもちゃんとメロディ弾いているところもあり、そのバランスが良かったり。変わったタイトルですね。

10.Independence
イントロのギター独奏が素晴らしい。悲しげに歌うブレイズ。と思ったら予想外にアップテンポに。始めのしっとりバラードをずっとやってほしかった。けどまたギターソロが良い。途中からまた冒頭の雰囲気になったと思ったらすぐに重いギターが入ってくる。インディ、ペンデ~ンス!

11.A Work Of Anger
なんかIn flames系の北欧トラッド(?)的な雰囲気を感じる。つまり最高。この儚げなクリーントーンたまらん。歌メロも全体の雰囲気を踏襲していてとても良い。サビでいきなりメロディが上にいっちゃうのが若干惜しい気がしないでもないが、コーラスが重なるところで「これもこれでありだな」と考えを改めさせられてしまいました。

12.Shall We Begin
アウトロ。音楽的な価値としては…あんまり。


【総評】

前作よりは音が良かった。
Linkin Parkの「Meteora」みたく曲の終了部分が次の曲の冒頭に繋がっていています。あちらは単純に収録時間を短くしようと考えた結果だと思いますが、こちらは繋げてコンセプトアルバムっぽくしようと意図した模様。私は曲が欠けてしまうので、この方針は大反対です。私が1人声を大にして訴えたとして仕方ないので部屋の隅っこで体育座りしてさめざめと泣きます…。

ブレイズは相変わらずブレイズ。
彼もいつの間にか50を過ぎ衰え始める頃かと思っていましたが、相変わらずで安心しました。体型も相変わらず。これが彼のキャラクターとして定着しているのか。病気に気をつけて下さい。

楽器隊はどの人もテクニシャン。ドラムのマーティンさん足技に自信がありそうで、まだ抑えて叩いているように思える。ギターのクリスさんは速弾きからエモーショナルなプレイも得意そう。

点数は普通が50点として、68点。ブレイズの声に抵抗のない方でしたらとても楽しめると思います。ボーカリストは個性を活かしてナンボです。上手いけど個性があんまりないボーカリストも世の中多いです。埋もれないことが肝心。

このアルバムを引っ提げて単独来日してくれないもんかな。日本でライブやったらどれくらい人が集まってくれるんだろ。想像しただけでも少し恐くなりますね…。私は最前列行けるように頑張ります。むしろ関係者席に座らせてください。この際単独なんて贅沢言わないから…。やはりメイデンとのジョイントライブが一番現実味ある気がする。それかLoud Parkに参戦するとか。元気に生きていることを私の肉眼で確認させてほしい。スティーブ・ハリスも娘のバンドを前座で使ったりせずにブレイズを前座で演奏させてあげてくださいよ。で、本編で夢の再演を果たすとか…。


来月のB!誌でレビュー見たらまたちょっと更新します。どんなこと言われているんだろ。そもそもブレイズに対する単独インタビューは最後にあったのはいつなんだ?私の記憶が確かなら、2004年くらいに発売した3rdのBlood & Beliefのインタビューが最後です(持っています)。

そろそろ単独インタビュー読みたいです。
3万字くらいのインタビュー。
次の作品はどうなるんだろ。

インギー辺りと組んでみて(笑)
Blaze Bayley’s Rising forceなんて面白い。
インギーのプライドが許さないか…。

夢いっぱいのブレイズ・ベイリー。
頑張って下さい。


以下過去記事
■6th The King Of Metal