R.I.P 在りし日の飲食朋友会。

 

 

 


小田急江ノ島線、藤沢駅北口のペデストリアンデッキ。
昔はここに噴水があったんだよなあ。

というわけで今日は藤沢駅から辰巳町界隈と
旧東海道・藤沢宿を通って藤沢本町駅まで歩く。


辰巳町は藤沢駅の北側に位置し、かつて藤沢新地(藤沢遊郭)が
存在したエリアだという。

東海道沿いの藤沢宿に点在していた遊郭が、明治時代の大火を契機として
一か所にまとめられる形で成立した色街であり、藤沢宿の中心地から見て
巽の方角(南東)であることから辰巳町という名が付いたとのこと。

こういう予備知識があると見方も変わるかもしれない。



とりあえず北口から銀座通りへ。
この界隈もずいぶん変わったな。



銀座通り交差点。
5月中旬にしちゃ暑いなあ。




銀座通りから東方向(柳通り)を見る。



山内精肉店(跡地)の壁に描かれたイラスト。
豚が吞まれておる…呑馬術ならぬ呑豚術か?



銀座通りを西へ。



藤保水産とマツモトヤの間に路地が伸びている。
この先が辰巳町である。



間の路地へ。




路地の先、飲食朋友会跡地。
かつていわゆる赤線か青線として賑わったという噂も聞く一画だ。
そのバラック、廃墟がここにはあったのだが…

何度来てみても、無くなったものは元には戻らないか。
古い街並みを実際に見るということへ興味を抱くきっかけの
ひとつだったので、やはり寂しいものがある。
奥に林立するマンションが示す通り、この辺りは住宅地としての開発が
進められており、かつての藤沢新地としての痕跡は徐々に消えつつある。

過去に撮影した飲食朋友会の写真を何枚か載せておく。

 

入口のアーチ。

 

中に入り振り返ったところ。

 

 

見ていると何となく自分まで朽ちていくような錯覚を覚える。

奇怪で異様で重苦しくて実際に見るとマジですごかったんすよ…

 

 


改めて比較。綺麗さっぱり潰されちゃったなあ。




飲食朋友会跡地の入口から左を見ると細い路地が伸びている。
今でも質店が残っているが、赤線の近くだけにこういう店が
必要だったのだろうか。




飲食朋友会跡地は行き止まりになってしまっているので
とりあえず銀座通りに戻ってきた。



この辺で南方面に曲がりもう一度辰巳町界隈に入る。




銀座通りは人通りが激しいが、ひとつ曲がれば落ち着いた感じになる。




「Susy Cafe」前から銀座通り方向を見る。



ところどころにこういった狭い路地が張り巡らされている。
迷路みたいでちょっと面白い。



おっと、ここは…




中を覗くと、反対側に抜ける通路が飲み屋街になっている。




とりあえず反対側からも…




通路に入る。ひっそりとした空気が漂っている。




振り返って撮影。


反対側に出た。
ここは「藤沢仲好会飲食業協同小組合」と名が付けられた
飲み屋横丁のような建物である。
かつて別の場所にあった横丁が取り壊され、ここに移転したものだという。
「いらっしゃいませ お2階へどうぞ」という言葉の通り、2階にも店舗がある。
それにしても入口がさりげなくアーチ状になっているのが良いね。




左端の「酔処おぐちゃん」の蜘蛛の巣みたいな窓が独特だ。



だいぶ急な階段を上り2階へ。
スナックや居酒屋が軒を連ねる。
何気にここにもアーチ状の飾りがあってステキ。


 


居酒屋「赤ちょうちん」の左脇にも階段がある。
こちらを通って先ほどの路地に戻る。


 


バー(?)「SEQUOIA CLUB」。
電気かガスのメーター部分だけ看板に切り欠きが設けられている辺り
ちょっと生活感あって好き。
営業してるように見えなくもないがどうなんだろうか…?




「SEQUOIA CLUB」に隣接する………看板が読めねえ!
いったい何年放置されてるんだろう。




「串かつ定食」「かつ丼定食」という文言が見えるので
とんかつ屋さんだったのかな。




なんかもうラピュタのロボット兵みたいだな…



出入口にはちょっと凝った飾りの痕跡が見える。



とりあえず北へ。
なにやら印象的な窓の建物は「藤沢地域子どもの家」のようだ。




この一画も飲み屋街のようだ。



あっ…こういう自販機コーナー好き…。




自販機コーナーは分かれ道の角になっている。
右の先も気にはなるが今日はやめとく。



東方向に歩くと辰巳稲荷と辰巳町会館がある。



辰巳稲荷の東側に佇む飲み屋街。スナック「せきれい」が見える。

かつてこの藤沢新地には「小鳥の街」と呼ばれる飲み屋街が
あったという。
すでに取り壊されて久しいようだが、そこにあった店舗の一部が
この一画に移転し、今でも営業を続けているようだ。
「小鳥の街」という名だけあり、店名はすべて鳥の名前で
統一されていたらしい。
その流れで「せきれい」なんだなあ。

…で、「せきれい」の角を右に曲がるとまだ店舗があるのだが
そっちの写真はありません。いや、その先にちょっと
やばい感じの事務所があるっぽいので…




こちらは先ほども出てきた「飲食朋友会」に続く路地。
更地にされる前はここから銀座通りまで通り抜けが可能だった。

ここまで見て頂いてなんとなく「飲み屋街多くね?」と思われたかもしれないが、
やはり色街だっただけのことはあるということなんだろか。




わりと最近になって開店したサミットストア藤沢駅北口店。
ここだけ見ていると元々色街だったとは微塵も思えないな。




そろそろ辰巳町から北側の旧東海道へ向かう。




振り返る。




願い事がかなう自販機…。
どういう由来なんだろう。せっかくなのでお茶を買ってみた。
「歩きスマホと歩きタバコがこの世から永遠に消えますように」
っていう願い叶うかなあ。




というわけで旧東海道に出てきた。
ここから藤沢本町駅方面へ進む。




藤沢橋交差点。




藤沢橋の袂。柱の作りがどっしりしている。
なんか近くで中学生の3人組が喧嘩していた。喧嘩はやめて~



藤沢橋から「東海道五十三次」にも描かれている遊行寺橋を見る。





遊行寺橋。その名の通り、ここを渡った先には遊行寺が建ち
江戸見附はおおざっぱにその辺にあったらしい。




遊行寺。



さて東海道を進みましょ。



旧・桔梗屋の蔵。重厚な雰囲気だ。
東海道の風情が偲ばれる。




銘茶「みつはし園」。




内田金物店と尾島食鳥株式会社の並び。




内田金物店の軒先のオブジェ。




鈴木自転車店の前。




文化遺産となっている蔵をリノベーションした
「関次商店 パンの蔵 風土」がある。
せっかくなのでパンを買って帰ろうかと思ったが
とっくに売り切れだった。無念。



妙善寺へと続く路地。



妙善寺のほうを見る猫様。何が見えているのか。




池田屋。


荘厳寺へと続く路地。東海道から枝分かれするように
いろんな寺院に繋がる道があるな。



もうちょいで藤沢本町かな。




白旗交差点。このまままっすぐ進むと白旗神社に至る。




白旗交差点からちょっと西に歩いたところに建つ松元商店。
こちらもレトロでいい感じだなぁ。



白旗交差点に戻る。




白旗神社のほうを見る。



藤沢本町駅へ伸びる湘南山の手通り商店街。



甘味・喫茶「だんけ」、一品料理「きねもと」の並び。
この「だんけ」が前からずっと気になっている。入ってみたい…




入っちゃった。



みつまめを頂く。
サービスでちょっと餡子を乗せてくれた。
餡子は豆から煮て作っているし、寒天はきちんと天草から
作っているとのこと。美味しいです。




ごちそうさまでした。振り返って撮影。




岐路に建つ(意味が違う)小沢商店。




寿司「杵元」。服を売っているようだが寿司屋…なのか?




藤沢本町駅前から伊勢山橋へと続く坂道。
伊勢山橋の下には小田急線の線路が伸びる。




坂の上から藤沢本町駅方面を見る。




藤沢本町駅。
小さい駅だが通勤通学時間帯の利用客は多く、めちゃくちゃ混んでいる。




藤沢本町駅の跨線橋の窓越しに伊勢山橋を見る…

今日は暑くて疲れちゃったな…帰って寝よ。

おわり