今の日本の親子は、想像以上に仲が悪い。

ケンカを通り越えて、互いに口をきかず、別れたままである。

非婚・少子化の本当の根源は、ここにあるのではないか?

 

なぜこうなるのか?

一番の犯人は、情報の爆発だ。

人間に関する情報も、山ほどある。

 

テレビやラジオが登場する前は、

情報と言えば、村人の噂話か書物しかなかった。

今は、インターネットで世界中の情報がゴミの様に湧いてくる。

 

戦後、アメリカのホームドラマが毎日放送されるようになった。

笑顔を絶やさず、ジョークを飛ばすパパが家族に満点のサービスをする。

がんこで寡黙な日本の親父が、バカに見えてきても無理はない。

 

ひと昔前は、儒教的な考えと相まって、どんな親でも主人の座に座れた。

今、日本の親は世界中の親たちと比較され、評価されるようになった。

自分の親がいかにつまらない存在か、たちどころに分かってしまうようになった。

 

近代になってから、情報をたくさんゲットすることは教育の目標にもなった。

現代は情報の洪水で、人間はこれ以上情報を取り入れる必要はあるのか?

知らないことこそが、却って幸せにつながるんじゃないか?

 

アメリカには、世間との交流を敢えて断ち、穏やかに暮らしている人たちがいる。

アーミッシュと呼ばれている。

農耕や牧畜をして、自給自足の生活を送っている。電気も通さない。

 

乗り物は馬車、テレビもない。もちろんマクドナルドも食べられない。

馬車にしても、ふだんは子どもが乗ることは許されない。

大家族主義であり、ひとつのコミュニティは助け合いの関係で結ばれている。

 

新しい家を建てるときには親戚・隣近所が集まって取り組む。

服装は極めて質素で、成人は決められた色のものしか着ない。

都会生活を送っている人々から見ると、全く時代錯誤でしかない。

 

でもそこには、反目し合う親子や、おひとり様ばかりの人間砂漠はない。

大量消費・情報社会では、その便利さを提供する元締めだけが大金持ちとなり、

便利さの対価を払い続けるその他大勢の勤労者は、窮乏化すると決まっている。

 

もうこれ以上、”情報”は要らないんじゃない?

”情報”は、人を幸せにしないよ。

”情報”をがんばってゲットして、無理して世界とつながらなくていいよ!!!