パイライトは自身の人生において最高・最善の選択を可能にし、人生を前に推し進めてくれる石です。

 

 鈍くギラリと光る石の表面は太古に生きた黄金の龍のうろこのようで、触れることをためらわれるような、それでいてすがりつきたくなるような雄々しさで人を魅了し、見ているだけで全身に力がみなぎる感覚になるかと思います。パイライトは第三チャクラである太陽神経叢に働きかけて活性化します。第三チャクラはちょうど胃の位置にありますが、このチャクラを考える上で大事なことは「人が生きていくことにおいて、みずから人生の方向性は自分で決めていく、自分の人生は自分で責任を取っていく、自分の人生は自分で支配する」という役割です。

 

 人のエネルギーがどのように端を開き、場を作り、拡大・現実化していく流れをチャクラの観点から見ると、まず人の生命エネルギーとしてのクンダリーニ・エネルギーが仙骨の下あたりに眠っていて、それが昇り始めるのを決めると一旦は第二チャクラに場所を求めます。第二チャクラはもともとクンダリーニが〈表現される場所〉としてあり、仙骨の下で目覚めを待っているのは本来のあり方ではありません。これは人が生まれる前に自分に課した制約であって、当初は3次元世界における自らの表現を制限し、後に開放していくというプロセスとしてみることができます。

 

 第二チャクラに登ったエネルギーはこの3次元世界において青写真として生まれる前に設定してきた自らのビジョンを「創造」することを意図します。ここであらゆる物質や事象に、光と影、陰と陽、創造と破壊、男性性と女性性、自己と他者といった二元性に関する属性が付与されていくことになるのですが、それでもまだ第二チャクラの創造は潜在的な可能性の坩堝(るつぼ)のようなものです。あらゆるものが現れる可能性の場ですが、まだしっかりとした形を取るまでは至らない場所ということです。

 

 そして3次元世界であなた方が機能していくためには、さまざまな選択をしなければなりません。丸太から仏像を現すにも最初の一刀を木の表面のどこかには必ず決めて入れなければならない、ということです。そして続く一刀一刀を繰り返すことで、形をとっていくということです。全てをなにもせずに表現できればそれは最高なのですが、一刀一刀をどこに打ち込むかの選択をし続けなければ、3次元世界は前に進んでいくことができないということです。

 

 それにはまず「ビジョンに係る意図」を決めることになります。人は何も考えずに日常に流されていたとしても様々な選択をしています。しかしながら、自己主権のもとに、自分自身に価値があると感じながら直感が伝えてくる自分の真の望みを強く意識し、意図したならば、人生はより充実したものになります。第三チャクラのバランスをとるということは自分の意図をしっかりとした形にしていくということです。そこにおいては自分の直感を信じて、人生で起こることで一見、目の前のリスクと感じられることでも進んで受け入れていく気概がでてきます。

 

 このパイライトは、この自分自身で自分の人生を切り開いていくという意志の力を強化し、そして自分自身にその能力があるという確信と信頼という点において力を与えてくれる石です。そして自身のパワーへの確信は健全な自尊心を養うことになります。自分の個性はなんなのか、自分が今後どうなりたいか、そのために何をすべきなのか、ということを3次元のルールに則りながら選択していくということをサポートし、最後までやり抜くことを可能にするということです。

 

 3次元世界という、かりそめの王国ではどんな物も人も、その行いも完璧なものはありません。あらゆる社会制度、経済システム、倫理・道徳観も完全ではありません。この世界で自分のビジョンを作り上げていくためには、他者との利害関係で対立することもあるでしょうし、境界線を設けたり、時に侵略に対処したりということが必要になる場合もあります。「人」というのは他者との学びという設定においては、感情面・物質面併せて、色々と「逆撫で」してくる存在です。もちろん、それもそれぞれ役割という側面はありますが、自分の権利を侵害すること、そして自身を辱める事柄に対しては勇気を持って立ち向かい、それをやめさせるということをやっていく必要があります。調和的なあり方を望みながらも時にはNOという〈胆力〉が必要である、ということです。

 

 この自分の人生に責任を持ち、しっかりと対処するという感覚は「自分の人生で起こることは全て自分の責任であり、他者のせいにしてはならない」という理解を実践しているということです。

 

 この自己主権という感覚が強すぎてバランスを欠く場合には、人生における様々な問題となって現れてきます。この感覚が強力になると人の意見に耳を貸さないようになり、他者に対して横柄、無神経、攻撃的等の振る舞いを見せます。そして他者に対してエゴイスティックなコントロール欲求を持つこともあります。これは具体的な支配であったり、無意識的に人を操ろうとする感覚であったりします。そして自分自身との関係性においては、自分の人生を支配しているかのように感じているにも関わらず、自分を労ることがなく、自身のいまの仕事に生活のすべてを注ぎ込むようになります。それは自分の人生を思い通りにするために自分の健康や喜びという大事なことを無視して猪突猛進してしまうバランスの悪さということです。

 

 逆に自分のパワーを他者に明け渡してしまうパターンもあります。いつも他者にどう見られるのかということばかり気になり、他者の顔色ばかりを気にして振る舞うようになります。そうした周波数を持ち始めると、感情的な侵害を日常的に受けるようになります。そしてそのことは他者からのパワハラや虐待あるいは操られる、服従というような自身の弱さを表現している環境を無意識に作り出していくことになります。また他者を模範とするような意識の中にもこうした周波数が発生していることもあります。感情的には鬱、依存・共依存や抑圧的で時に爆発する怒りといったことがあります。

 

 上記の両極端にバランスを欠いた状態においては関係性に係るネガティブなエネルギーコードが繋がることが頻繁に起きます。サイキックコードは有名ですが、これは上司と部下などの関係性において、上司が自分の思い通りに働かせたいというようなネガティブなコントロール欲求をビームして、部下がそれを受け取るというようなことです。

 

 パイライトは先に述べたようなバランスの悪さを中庸の状態に持っていくサーモスタットのような役割を持っています。あまりに直線的で人に対する寛容さや思いやりのない感覚になること、そして自分自身にもあまりに厳しくなっていった場合にはそれをなだめて、もっと自分自身を見つめて人生におけるリラックスの感覚をもたらしてくれます。そしてパワーが無くなってしまっている人には自身の感情的な境界線をはっきりとさせて、他者に振り回されるのではなく、自分自身の選択で人生を前に進めるようにしてくれます。自身が生まれる前に決めた青写真に従って、はっきりと自信を持って生きることで成功を引き寄せていくようになります。

 

 

カーサクリスタルとしてのパイライト

 

 カーサクリスタルのパイライトは自分の真実を生きることを強力にサポートしてくれる石です。

 

 他者との関係性の中でみえてくるのは実は自分のあり方で、他者はそれをはっきりと映し出してくれる鏡のような存在です。他者との関係性が心地よいという状態は自分自身との関係がうまく行っているということでもあります。自分自身の価値を認めて、自身に対する感謝と思いやりの気持ちを持てなければ、他者に対して持つことは当然出来ません。ですので他者との健全な関係性は自分自身との健全な関係を保つことで成り立つということです。

 

 この3次元世界では他者との関係性において、なんらかの役割を演じるということがあります。それは人というのものが、創造の瞬間から引き受けているものです。そうした役割の中では〈その人のシャドウ〉の側面がでてくるということがあります。それは自己主権の喪失であったり、極端な自己主張という極端さの中に表現されます。人は行動を前に進めるに当たって、ある種の思考回路や信念を培っていくということがあり、もし現状が問題のある極端さという状況に陥っていたとしても、それがいつ出来上がって自分のものになったのかが判らず、そしてその思考回路・信念でこれまで生きてきたので、どこをどう修正していいのか解らないということがしばしばあります。

 

 カーサクリスタルのパイライトはそうした状況に置いて、まず自身の本当の気持ち、潜在的に望んでいること、そして肉体意識が望んでいることがなんなのかを理解させるということがあります。一つの極では――外的な評価では現在、自身が成功しているように見えるけれども感じているこの不快感はなんなのか、自分は調和的にやっているように見えるのだが、他の人が自分を煙たがっているように感じる、というようなことがあります。もう一つの極ではいつも他者に踏みにじられているにも関わらず、うまくやっている、これが普通のことなのだ、もっとひどい環境の人もいるので自分はマシなほうと自分をなぐさめ、偽物の幸福を抱きしめようとするということがあります。もちろん、そこに日々の充実感はありません。

 

 こうした状況に関しての真の姿に気づくということをカーサクリスタルのパイライトはもたらします。それは自分の不快感がなんなのかということを理解することです。各人のハイアーセルフはそうした極を生きてしまう人に対して、人生の節目節目で気づきのためのシグナルを送ることをやっていたはずですが、それもエゴの思考回路による惰性で無視することを強要され、ここまで来てしまった人であっても強力に間違った方向性を軌道修正されることになります。

 

 そしてカーサクリスタルのパイライトは第三チャクラという個人の意志とそのパワーという感覚に「宇宙の意志」という指標を強力に統合させていくことになります。自分に正直に自分の真実をいきるということが、潜在意識を通じて集合意識へと、そして魂意識へとより太い道筋を作っていくことを可能にします。より確信に満ちた直感という形で宇宙の意志に従うことで、自分のやっていることが本当に間違いの無いことであることを理解し、さらに日常がパワフルでフローに満ちたものになります。

 

 そうした力にみなぎった状態においては他者の影響などは全く受けず、状況におけるどんなコントロールも本当は必要が無いものであることがわかります。それは委ねる感覚であると同時に平和な感覚です。そして意識的努力よりも委ねることが最大のパワーと強力な流れを発揮するものなのだということも解ると思います。

 

 

With De-light 森 貴浩