◇ 4 蘭ちゃん その2 「天空の難破船」 感想 ◇ | ひまわりの散歩道

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劇場版名探偵コナン「業火の向日葵」の感想をメインに
コナンについて好き勝手、書き散らしています。
 
 
 

◇ 4 蘭ちゃん その2 「天空の難破船」 感想 ◇

 

感想最後。あずまが一番感動したのが
KIDに対する言葉です。

 


 「 自 首 し て 」

 


これは、多分、KIDも驚いたんじゃないかな。
あずまはものすごくびっくりしました。


この場面、蘭ちゃんはKIDに対して
2つのメッセージを送っています。

 

 

一つ目は

 

「犯罪はどんな理由があっても犯罪であり
 裁かれないといけない」


これは、蘭ちゃんが自首を懇願する時に
理由を聞かないことで判ります。

 

大好きな人が犯罪を繰り返している。

 

なら

 

「もうやめて」

 

もしくは

 

「どうしてなの!?訳を話して」

 

になると思うんですよ。

 

それが、いきなり 「自首して」 です。

 

KID、

 

「KIDはある事件を解くために
 やむなくやってる」

 

(ある意味、KIDの真実ですが)

 

と蘭ちゃんに言ってましたが
それならそれで、どんな事件なのか、
どうして事件を解くために
KIDをしないといけないのか
それはすごく知りたいことだと思うんですよね。

 

でも、それを全部すっ飛ばして、「自首」。

 

蘭ちゃんは、知っているんですよ。

 

例え自分が納得するような理由が
あったとしても犯罪には変わらないし、
それを裁くのは自分じゃない。

 

情状酌量の余地があるかどうかは
司法が判断すべきことだ、て言うことと、

 

そして、何よりも、

 

罪を隠したまま背負っていくのは、
とても辛いことだから
裁きを受けて、償うことが、
本人にとっても望ましい、てこと。

 

小五郎のおっちゃんの娘だな、と思います。

 

おっちゃんは、
幼馴染の美人女優が、殺人犯を匿うために
色仕掛けと泣き落としで迫った時、

 

「そんな苦しくて辛い嘘で
 お前を一生縛るなんてゴメンだ」

 

て、きっぱり断るんですね。

 

罪を犯した者はもちろん、
それを知っていて隠す者も
その罪を一生背負わないといけない。

 

それがどれだけ辛いことなのか、
おっちゃんは良く知っているし
そんな おっちゃんを
間近で見てきた蘭ちゃんにも
それは伝わっているんだな、て。

 

だから、KIDに自首するように訴える。

 

正義感が強い、というのもあるけれど
警察とか司法に対する
絶対の信頼があるんだな、て思います。

 

新一さんは、
法や警察をそこまで信じていない。
自分の中の尺度でOKならばそれで良い、
てトコがありますね。

 

普段はこの尺度が、法と矛盾しないので
特に問題ないんですけど、
いったんズレると、意思が強いだけに
あっという間に道を踏み外す危うさがある、
とあずま思っているんですよ。

 

例えば、服部くんが快斗くんと
もともと知り合いだったとしたら
快斗くんがKIDを継ぐことを、
強硬に反対したと思います。

 

でも、新一さんなら
それが一番有効な方法だと思えば
協力するでしょうし
もし、新一さん自身が快斗くんの立場なら
KIDを継いで
探偵と怪盗の2足の草鞋を
履きこなすかもしれません。

 

そういう新一さんだから、
違法手段に流れそうになった時に
力ずくで止めてくれるであろう、
服部くんの存在は貴重ですし

 

それ以上に、強固な正義感と優しさで
新一さんのことをどこまでも
信じている蘭ちゃんは、
新一さんを 「こちら側」 に
繋ぎとめてくれる、かけがえのない

存在だと思います。

 


そして、2つ目のメッセージ。

 

いやーーー、びっくりしましたね。
蘭ちゃん、やる時ゃ、やるのね!!

 

あずま、あの一連の言葉って
ある意味、究極の告白だと思うんですよ。

 

あの晩熟の蘭ちゃんが、
KIDにすがりついて頼んでいる。
蘭ちゃんがどれだけ
新一さんを大事に思っているか
もう、あの頼み方で判りますよ。

 

つまり。

 

蘭ちゃんは、

 

「自首して。私も新一のことはもう諦める」

 

じゃなくて

 

「自首して。私は待ってるから」

 

てことで。

 

蘭ちゃんにとって
新一さんが探偵であろうが
犯罪者であろうが関係ないし

 

自首して有罪判決を得たり、
あるいは社会から糾弾されたりしても

 

「一生傍にいる」

 

「新一の背負うものを、私も一緒に背負う」

 

て宣言しているようなものです。

 

 

1つ目のメッセージは
KIDにとっては、耳の痛いことでしょうが
KIDは、むしろ、
2つ目のメッセージを
正確に受け取ったんでしょうね。

 

蘭ちゃんが自首を勧めるのは
新一さんを見捨てるんじゃなく
新一さんへの愛ゆえだ、て。

 

KID、すごく優しい顔で
蘭ちゃんを見ますけど

 

あれって、蘭ちゃんにとって
工藤新一がどれほど大切な存在で、
その相手に自首を勧めることが
どれほどの覚悟と勇気が必要なのか、
それを判ったんだろうな、て。

 

だから、蘭ちゃんに対して
すごく好感とか感心・・・以上に
多分、尊敬の念を抱いたんじゃ
ないかと思います。

 

「蘭ちゃんって良い子だな」 とか

 

「名探偵は果報者だな」 とか

 

まあ、そんな具合に。

 

んで、こんな健気な良い子を
放ったらかしているコナンに
イタズラ心が沸いた・・・のかな?
あの辺りは謎ですけどね。

 

ともあれ、あずま思うに、
あの場にいたのが本物の新一さんだったら
多分新一さんは蘭ちゃんの思いに
気付かないんじゃないかなぁ。

 

1つ目のメッセージには気付くでしょうけど
2つ目のメッセージには・・・どうでしょう。

 

なんというか
好きな相手が犯罪者になろうが関係ないし
必要なら自分も一緒に罪を背負う、
と言うのは、多分
新一さんの中では当たり前で

 

(むしろ相手を支える為に、
 より近くにいるでしょう)

 

蘭ちゃんの想いには、却って
気付かなさそうだな、て思います。

 

だから、蘭ちゃんの強さは
新一さんよかKIDの方が
知っているんじゃないかな。
近すぎると見えないものがありますからね。

 

ともあれ。

 

いやあ何回観ても蘭ちゃんに惚れ直します!!

 

「天空の難破船」 、ありがとう!!

 

 

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