先日放送された「にっぽん!歴史鑑定」の冒頭の画面に映っていた「日本記」がどうしても気になって生野先生にお尋ねしました。
以下、生野先生の説明です。
テレビに映っていた『日本記』は、「内閣文庫本(国立公文書館所蔵:慶長(1599年~1615年)年間成立)」の表紙部分。ただこの本の本文のタイトルは、「日本書紀巻第一」となっている。
また、同じ国立公文書館所蔵の「水戸本:嘉暦3年(1328年)」の表紙は『日本書紀』になっているけど、その本の裏表紙には「日本紀」となっていて、しかも本文の見出しは「日本書紀」となっている。
さらに、15世紀・室町時代頃の書写された「玉屋本(東京国立博物館所蔵)」では、表紙は分からないが本文の見出しは「日本紀」となっている。
平安時代に皇族や高級官僚(?)を対象に開催されていた「日本紀講書」で、『古事記』を「倭書」ではなく『日本書』と呼ぶ理由について話題となったことが記録に残っているが、その後、時代の流れのなか「紀」・「書」・「書紀」の意味や違いが分からないまま書写されている
・・・・・とのこと!
こんなに問題の多い「記紀」のタイトル・・・漫然と教科書に「日本書紀」って載せていたら、まずいんじゃないかと、かなり心配