徒然草 第七十九段

 

 何でも立ち入らず、知らないふりをするのが良いです。立派な人は、たとえ知っていても、得意げな顔でじゃべるようなことはしないものです。

 

 片田舎から上京したような人は何でも知っているような素振りをするものです。だから、こっちの方が恥ずかしくなるような部分があるのに、自分は偉いのだと思っている様子は見苦しいものです。

 

 自分が精通している道については、言葉を選び、聞かれない限り答えないのがあるべき姿なのです。

 

 

 要は、「自分が知っていることをベラベラと喋っちゃいけません。」と言いたかったのでしょうか。

 

 

「『言わぬが花』という言葉もあるからね。」

 

 

 しかしですね、兼好さんは田舎者には偏見があるような気がします。田舎者だからと言って自分が偉いようなふりをして喋るとは限らないと思うのですが。

 

 今の世でも、文化の中心は都会にあることは否めません。文化が身近にあるわけですから、色々なものを吸収することは田舎に比べれば容易いでしょう。(実感します。良いものを見たり聞きたいと思っても、博多まで行かねばなりません。himemomo-nさんも5月の連休に東京に行きます。何でも、思いっきり音楽に浸ってくるのだと言っています。)

 

 

「環境が人を育てることもあるからね。」

 

 

 しかし、田舎の人が劣るかと言えばそうでいないような気がします。

 

 セント・メアリ・ミード村で過去にあった過去の出来事にあてはめ推理をする安楽椅子探偵ジェーン・マープルは近代教育を受けていないと謙遜しながらも事件の謎を解いていきます。このような老婦人もいるんだと言いたかった…。

 

 

「もっとよく読んだ方がいいかも。」

 

 

 しかしながら、よく調べてみると、ミス・マープルさんは意外に活動的でカリブ海に療養にも行ったことがあり、出かけた先では社交的だったと言います。おまけにイタリアの寄宿舎に留学した経験を持つと言います。

 

 兼好さんのいう事は当たっているのかもしれません。

 

 

 

「兼好さんの時代の田舎は、学ぶ場がなかったのかもね。」

  - ヒメの一言 -